ジョブ型雇用の導入時に日本企業が考えるべき課題6選

欧米諸国で主流の「ジョブ型雇用」。

導入を進める日本企業も、年々増えてきているとされます。

しかし、その道のりはなかなか平坦ではないとも言われます。

ここでは、これからジョブ型雇用の導入を検討している日本企業の担当者が必ず押さえておくべき、ポイントやクリアすべき課題について紹介します。

【参考】出向とは?左遷とは限らない!メリット・デメリットは

 

ジョブ型雇用の導入

 

「ジョブ型雇用」の日本国内の状況

ジョブ型雇用とは、職務内容や勤務地、時間など細かい条件を定め、その内容に合致する人材と雇用契約を結ぶ採用方式です。

元々は欧米諸国で主流のシステムでした。

しかし、近年では、日本国内おいても、

  • 専門的な人材の獲得
  • 賃金の適正化
  • 多様な働き方の実現

と言った意図や目的で導入に踏み切る企業が増えてきています。

人材の多様化や働き方の多様化がますます加速するこれからの時代において、

  • 国際的な競争力を高める
  • 若手人材の活躍を促進させる

といった観点から、日本企業も積極的に導入すべきと言われています。

しかし、諸外国と比べるとまだまだ導入は進んでいないのが実情。

また、実際に導入している企業でも、適切に運用できているケースが少ないのが現状となっています。

本来の目的を達成するためには、クリアすべき課題が山積みと言えそうです。

【参考】降格人事とは?安易な降格は違法?合法的に行うには

 

導入のためにクリアすべき6つの課題

日本企業がジョブ型雇用を導入し、制度を正しく運用していくためには、次のような課題をまずはクリアしていく必要があります。

 

1、職務記述書の作成

ジョブ型雇用を始める際、各職種の業務内容や目標、業務フローなどを詳細に記した職務記述書、ジョブディスクリプションの作成が必須となります。

そこに記載された内容に従って従業員に指示を出すことになります。

しかし、これが意外と難しかったりもするのです。

ジョブ型雇用に関する理解が浅い企業の担当者が職務記述書を作成しようとしても、そう簡単ではありません。

そもそも、現場の仕事内容をしっかり細部まで把握できていなかったり、日常的に業務内容が変動していたりするケースもあります。

本来求められる、数量的で明確な職務記述書を作ることが難しいのです。

業務を細かく分解して、分かり易い、明快な言葉にしていく必要があります。

 

2、従業員の意識改革

日本企業では、総合職で採用し、ジョブローテンションをさせながらジェネラリストを育成する文化が今なお深く根付いています。

そのため、ジョブ型雇用を導入する際には、上から下まで、意識改革が欠かせません。

そして、スペシャリストとしてのキャリアパスを整備した上で、基本的なルールや概念を理解してもらう必要があります。

また、ジョブ型雇用の導入に伴い、メンバーシップ型で雇用されている既存社員から不平や不満が出ることもあります。

 

3、適切な評価体制の整備

導入にあたり、これまでの評価体制や報酬制度の抜本的な見直しが求められるケースも珍しくありません。

特に、

  • 「残業すれば評価が上がる」
  • 「上司から好かれれば評価が上がる」

というような評価制度や社内風土を残したままだと、ジョブ型雇用を導入しても上手くいかない可能性が高いでしょう。

労働の量ではなく、その内容や質を基準とし、透明性や客観性の高い評価体制を整えることは絶対条件となります。

 

4、高度なマネジメント能力を有した管理職の確保

ジョブ型で雇われた従業員をまとめ上げ、適切な業務指示や評価をするためには、高度なマネジメント能力を有する管理職の存在が欠かせません。

スペシャリストたちを部下として持つ場合、基本的な業務指示はもちろんのこと、時には様々な相談に乗る必要も出て来ます。

ある程度は、その分野における専門的な知識も求められるでしょう。

とは言っても、そんな人材は簡単には見つかりません。

育成するにも多くの時間を要することになります。

導入してすぐに軌道に乗せる、というのは、なかなか難しいのです。

 

5、降格、再配置する際の対応

メンバーシップ型で雇われている従業員の場合、

  • ノルマを達成できない
  • 十分なパフォーマンスを発揮できない

と言ったことがあっても、すぐに降格や再配置とはなりません。

しかし、ジョブ型雇用の場合、その仕事から離れることになる可能性が高いのです。

しかし、国内における現行の法律では、すぐに従業員を辞めさせることは難しいもの。

そのような事態に陥った際に、どのような対応を取るべきか、あらかじめ決めておかなければなりません。

 

6、労働契約法第9条の「不利益変更」への対応

新たにジョブ型で人材を雇うのではなく、既存の社員の雇用形態をジョブ型に切り替える場合も、注意が必要。

場合によっては、職務内容や責任が変わり、給与水準が下がる従業員が出てくるケースがあります。

しかし、一方的に減給すると、労働契約法第9条の「不利益変更」に抵触する可能性も。

まずは対象となる従業員と個別に面談を行い、必ず同意を得る必要があります。

その手続きが進まなかったり、同意を得られなかったりすると厄介です。

ジョブ型雇用への切り替えが滞ってしまうため、適切な対処をしなければなりません。

【参考】ホラクラシー型組織とは?多様化社会で期待される組織の特徴

 

ジョブ型雇用の導入は慎重に

ジョブ型雇用は、賃金の適正化や若手の活躍の促進など、非常に魅力的な制度であることは間違いありません。

しかし、日本企業に根付いている文化や現行の法律との相性が悪いのも事実。

導入にあたり、目的を明確にすることはもちろんのこと、

  • 人事制度の刷新
  • 社員の意識改革
  • その他の専門的なノウハウ

も必須となります。

出来れば、専門家の力を借りながら進めていくのが望ましいでしょう。

【参考】玉突き人事とは?ジョブローテーションと何が違ってどう問題

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