「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があります。
会社を辞める際には、なるべく同僚や上司に迷惑がかからないようにすることが大切。
世間は狭いもので、いつまたどこで出会うか分からないものなのです。
ここでは、社会人として最低限押さえておくべき、円満退職を実現するための退職時のマナーと注意点について解説していきます。
円満退職をするのが無難
余程のブラック企業に勤めていない限り、、、いや、余程のブラック企業であったとしても。
退職する際には極力波風立てず、落ち着いて、冷静に、必要な手続きや振る舞いをすることは、社会人として守るべき一つのマナーです。
相手がどうであれ、マナーはしっかり守らないと、揚げ足を取られて、会社とのトラブルが発生することもあります。
その結果、
- スムーズに退職できなくなる
- 関係が悪化する
といった形で、お互いに嫌な思いをすることになります。
また、今の時代、すぐにネットやSNS上で評判が広まってしまうということもあります。
ネット上に名前が残ったりすると、社会人としての活動にも影響が出かねません。
退職時に守るべき最低限のマナー
それでは、社会人として最低限守るべき退職時のマナーを見ていきましょう。
1. 退職理由は、無難な内容を伝えるのがベター
辞意を会社に伝える際に、退職理由を聞かれる場面があります。
しかし、正直に伝えるのではなく「一身上の都合」のように、無難な内容にしておくのが良いでしょう。
というのも、
- 「賃金が低いから」
- 「休みが少ないから」
など、具体的に伝えてしまうと、解決策を提示される可能性があります。
また、会社の悪口のように思われてしまうと、不快な思いをさせてしまうこともあるでしょう。
前向きな内容で、止めようがない、と思ってもらえることが肝要です。
2. なるべく口頭で、まずは直属の上司に辞意を伝える
最近、メールやLINE、退職代行サービス等を利用して辞意を伝える人も増えています。
しかし、退職は、非常に重要な話。
可能な限り、口頭で伝えるのがマナーです。
もちろん、
- ハラスメント被害を受けている
- 精神的負担が大きすぎて言い出せない
という場合には仕方ありません。
また、最初に伝えるべき人は直属の上司です。
3. 繁忙期は避け、1ヶ月前くらいに申し出る
辞意を伝えたり、実際に退職するタイミングも、会社に迷惑がかからないようにしたいもの。
法律的には、辞めたい時にいつでも辞められるとされています。
しかし、特別な事情がない限り、繁忙期は極力避けるようにしましょう。
また、遅くとも、退職の1ヶ月くらいに申し出るのが良いでしょう。
4. お詫びとお礼をする
労働者には会社を辞める自由が保証されています。
そのため、退職することに自体に引け目を感じる必要はありません。
しかし、そのお詫びと、お世話になった人へのお礼は忘れてはいけません。
もちろん、一人、一人、全員にする必要はありません。
特に、お世話になった上司や取引先、同じチームや部署のメンバーにはお詫び、お礼を兼ねた挨拶をしましょう。
5. 引き継ぎは抜かりなく
退職時の引き継ぎに関しては、抜かりがないよう、慎重に、丁寧に行います。
すでに後任が決まっているのであれば、退職までの一定期間、一緒に業務をこなすなどしてやるべきことを覚えてもらいましょう。
口頭で説明するだけでは、後でわからなくなってしまうこともあります。
そのため、メモやチェックリストを作るなどして必要事項を書面で残しておきます。
円満退職に向けての注意点
マナーに加えて、退職時にやってしまいがちなNGな行動や注意点についても見ていきましょう。
1. 不満があっても、それを漏らさない
待遇や給料、人間関係などの不満が退職理由であることも多いでしょう。
しかし、それを露骨に周囲に漏らすようなことは控えるのが賢明。
会社に残る人たちに、嫌な印象を与えてしまう可能性があります。
2. 同僚や取引先への報告や挨拶は、退職が確定してから
同僚や上司、取引先への報告や挨拶はもちろん大切です。
しかし、それらは退職願が受理されるなど、退職が確定してから行います。
と言うのも、万が一、退職が取りやめとなった場合、周囲に余計な混乱を生じさせてしまうためです。
先走らないようにしましょう。
3. 備品の返却を忘れない
退職時には、デスク周りの整理、整頓に加え、会社から支給されたパソコンや名札、ユニフォームなどの備品の返却もしっかり行いましょう。
意外と忘れがちなのが、「名刺」です。
名刺も忘れないように返却するようにしましょう。
4. 退職後もコンタクトを取れるようにしておく
退職した後に引き継ぎ漏れが起きたり、重要事項の連絡がきたりすることもあります。
また、書類のやり取りが発生する可能性もあります。
辞めてからも一定期間は、会社の人と連絡が取れるようにしておきます。
円満退職を実現して良好な人間関係を
退職する際に、上司や同僚に対して過度に謙虚になったり、配慮したりする必要はありません。
しかし、迷惑がかからないように最低限気をつけることは社会人として大切なことです。
円満退職を実現できるように、以上で挙げたマナーはしっかり守りましょう。