集中戦略とは?ベンチャーが取るべき戦略のメリットと注意点

新しく事業をはじめようにも、周りを見渡すと、大企業ばかり。

「今さら新しくはじめても、既にいる大手に勝てないよ」と思うかもしれません。

しかし、そう決めつけてしまうのは早計。

商品やサービスのオリジナリティ、低価格の実現など、小さな企業が大手、競合他社と戦い、市場で生き残るためには、様々な戦い方があります。

今回はその中でも「王道」とされる集中戦略について、その概要や主な種類、メリット、実施する際の注意点について解説していきます。

集中戦略

 

集中戦略とは?

集中戦略とは、

  • 顧客(ターゲット)層
  • 地域市場
  • 流通チャネル

のいずれかに重点を置き、そこに経営資源を集中的に投入することで、市場での自社の優位性を高める戦略です。

ハーバード大学大学院教授のマイケル・ポーター氏によって提唱されたもので、コストリーダーシップ戦略、差別化戦略に並ぶ経営の基本戦略の一つとされています。

競合他社よりも経営資源が少ない、もしくは事業規模が小さい、ベンチャー企業をはじめとする中小企業がとるべき戦略とされています。

【参考】ドミナント戦略で店舗展開するメリット3つとデメリット2つ

 

集中戦略で成功した主な事例

集中戦略を販促や経営戦略に導入して成功した企業として、ファストファッションブランドの「しまむら」が挙げられます。

しまむらは、ターゲット層を20〜50代の女性とその家族に絞り、生産、物流、販売までの流れを全て本社が管理することにより、コストを最小限に抑え低価格で高品質な商品展開を実現しました。

また、自動車メーカーのスズキも集中戦略で成功した企業の一つです。

トヨタ、日産、ホンダなど世界的にも認知されている競合がいる中、スズキは軽自動車の生産、販売を重点的に行うことで、国内シェアNo.1の座を長年守り抜いています。

その他にも、靴下の豊富なラインナップを取り揃えている靴下屋「Tabio」もその一例と言えるでしょう。

もっと身近な例でいえば、商品を1つに絞っている、地元のラーメン屋なんかもそうだと言えるかもしれません。

醤油、豚骨、味噌、塩、と、中途半端にたくさんの味を出すのではなく、「うちは豚骨一本!」と絞り込んで、ひたすら味を良くするための研究に邁進し、誰にも負けない美味しいラーメンを作って、地元で一番と言われるような行列ができる店を作る、というのも、一つの集中戦略と言えるかもしれません。

【参考】スタートアップの戦略!大企業の倒し方は戦国武将から学べる

 

集中戦略の種類

提唱者であるポーター氏によると、集中戦略は以下の2つに分けられます。

  • コスト集中型
  • 差別化集中型

コスト集中型

コスト集中型は、しまむらのように商品開発から生産、流通、販売にかかるあらゆるコストを最小限に抑えることに重きを置くことで、他社よりも安い価格を実現し、市場において優位に立つことです。

差別化集中型

一方の差別化集中型は、商品やサービスのオリジナリティを追求し、その独自性を武器にして価格以外の点で他者と差別化を図ることです。

そのため、差別化主集中型の場合、商品やサービスの価格は比較的強気の設定となるケースが多いようです。

 

集中戦略のメリットと注意点

集中戦略を取ることで、市場で他社よりも優位に立てるなどメリットがある一方で、デメリットや注意点もあります。

それではまず、メリットについて見ていきましょう。

 

大手など他社の市場への参入を防げる

ターゲットを極端に絞ったり、特定の領域に経営資源を集中させたりすることを大手企業がやろうとすると、”それ以外”のところから取れるであろう利益が犠牲になってしまうことや、取引先との関係、社内のパワーバランス(足の引っ張り合い)等が生じやすく、なかなか思うように身動きが取れないというケースが多くあります。

その結果、利益確保が困難となり、赤字になってしまうことも多いと言われます。

しかし、中小企業は、そもそも全方位に展開することが難しいと言うこともありますが、比較的フットワーク軽く動けるため、集中戦略を取ることで特に大手など他社の市場参入を防げるということがあります。

 

投資した経営資源を有効活用でき、その利益を最大化できる

バリエーション豊かな事業展開、商品開発をするのではなく、ある特定のターゲット層に向けてそこに人材や予算などの経営資源を投下することで、それらを有効活用し、ムダを最小限に留めることが可能です。

その結果、投資した経営資源から得られる利益を最大化できるため、効果的に優位な市場地位を築き上げていくことができるのです。

 

それでは、注意点についても見ていきましょう。

 

市場の環境変化に弱い

集中戦略を実施する際の大きなデメリットとして挙げられるのが、市場の環境変化に弱いということです。

流行、経済、ニーズ、人口など市場を取り巻くあらゆる環境が変化すると、それに伴い経営資源を集中させていたターゲット層や市場規模が急激に縮小したり、それ自体がなくなってしまう可能性があるためです。

一度顧客を獲得したとしても、時間の経過や環境の変化によってニーズがなくなり、徐々に顧客が離れていってしまうこともあります。

富裕層にターゲットを絞っていた小売業である百貨店の苦境も、市場の環境変化によって苦戦を強いられている業態かもしれません。

狭い領域で戦う分、大きな波が来た時に飲み込まれやすいと言うのは注意すべき点です。

 

大手が本気で潰しに来ると厳しい

利益確保が困難という理由で大手が初めから集中戦略をとってくることはほとんどありません。

しかし、一度、特定のターゲットや市場における可能性や将来性を見出してしまうと、大手が便乗して参入してきたりその市場を潰そうと圧力をかけてきたりする場合もあります。

「焼き牛めし」で、一時期大きく勢力を伸ばした「東京チカラめし」を、すき家吉野家松屋、の大手牛丼チェーンが潰しにかかったということもありました。

そのような事態に陥った場合、中小企業が戦っていく術がなくなるため、事業を継続していくこと自体が困難になるでしょう。

 

まとめ

集中戦略で市場、ターゲットを絞り商品開発や販促をすることで、限られた経営資源でも競合他社や大手とも戦うことができます。

上手くやれば、優位に立てるチャンスもあるでしょう。

しかし、上で述べた通り、集中戦略は必ずしも持続可能で万能な戦略というわけではありません。

その効果を最大限に発揮し市場での優位性を維持するためにも、顧客とのコミュニケーションを図り親密になること、ニーズの動向を見極め、それに応え続ける経営努力をすること、この2点を留意した上で実践していきましょう。

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