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創業間もないスタートアップ(=ベンチャー企業)はヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源が乏しく、経営戦略に関し、それらを豊富に持つ大企業に到底太刀打ちできないようにも思われます。
もしスタートアップが大企業と競合関係となったとき、どのような経営戦略で対抗すればよいでしょうか。
今回は、【歴史から学ぶ】というテーマのもと、戦国時代の「桶狭間(おけはざま)の戦い」を参考にして、その方法を考えてみましょう。
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そもそも経営戦略とは何か?
ビジネス書等で「経営戦略」という言葉を目にすることは多いかと思います。
人によって色々と捉え方は違いますが、一般的に経営戦略とは「企業が経営環境に合わせて、自社の限られた経営資源をどこにどう振り向けるかを決めること」という意味です。
競争相手が大企業の場合、資金も、人も、物も、情報も、経営資源と呼べるものを相手は豊富に持っているため、スタートアップが戦略的に対抗するのは難しいと思われがち。
しかし大企業といえども、弱みや隙が全く無いわけではありません。
中小組織で大組織の今川軍を打ち破った織田信長
自分の優位性を生かし、競争相手(敵)を打ち負かす方法を考えるという点で、軍事論と経営論は似ているところが多いと言われています。
過去の戦史をひも解くと、スタートアップのような弱小軍が大企業のような強大な軍を打ち破ったという例は数多くあり、その1つが、織田信長と今川義元が激突した桶狭間の戦いです。
桶狭間の戦いは今から460年近く前、現在の愛知県で発生した戦いです。
織田信長というと日本の大部分を征服した有力大名として知られていますが、当時はまだ弱小大名に過ぎず、動員できる兵力数は多くて3,000名ほどでした。
一方、信長の領内に攻め込んだ今川義元は総勢2万5,000人。
常識的に考えれば、今川軍の勝利は約束されたようなものでした。
しかし、今川軍は大組織ゆえの弱点がありました。
それは、
- 組織が大きいために意思疎通に時間がかかり素早い動きができないこと
- 織田軍の数が少ないので油断し、兵力を分散させてしまったこと
です。
義元は侵攻作戦を素早く行うために、自軍の兵力を複数に分けて信長の領内に攻め入りました。
そのため、軍の総勢では信長軍より圧倒的に多いものの、義元がいる本陣の兵力は5,000人程度に過ぎなかったのです。
しかも他の部隊との距離が離れ、連絡を取り合うのにも時間がかかるような状態となっていました。
信長はこうした今川軍の弱点を突きます。
織田軍は他の部隊には目もくれず、自分が持つ兵力(軍事資源)をすべて義元の本陣への攻撃に集中させました。
本来、本陣が危機に陥れば他の部隊が救援に駆けつけるべきですが、巨大組織で方々に軍を展開している今川軍は、素早く動けません。
信長は援軍が来る前に一気に勝負をつけるべく、本陣に奇襲を仕掛けて義元を討ち取りました。
スタートアップが経営戦略を考える際、桶狭間の戦いは参考になる
桶狭間の戦いにおける織田軍をスタートアップ、今川軍を大手の企業に置き換えると、経営資源の乏しい企業が大企業に打ち勝つためのヒントを得ることができます。
大軍の今川軍は組織内の意思疎通が上手くいかず、兵力(軍事資源)を分散させたという弱点がありました。
この点を踏まえると、大企業は以下のような点で、スタートアップに劣っているとも考えられます。
1. 組織のしがらみがあってなかなか身動きが取れないことがある
大手企業の場合、業態転換や新規事業を行うにあたって、組織のしがらみなどが理由で迅速に行動できない場合があります。
例えば、既存の技術に取って代わるような新技術の開発を進めようとする場合、
「もしその新技術が一般的となる世の中になると、既存の技術をメイン事業分野としている我が社は困ってしまう。今いる大勢の社員の仕事がなくなるけど、どうするの?」
という点も問題になり得るでしょう。
2. 承認プロセスが長く、一つ一つの意思決定に時間がかかってしまう
大企業では意思決定を行う際に複数の組織・管理者の認可が必要になることも多く、1つの承認を取るのに1カ月以上かかるというケースも珍しくありません。
そうなると、トップダウン型のスタートアップよりも事業展開がどうしても遅くなってしまいます。
3. 組織が大きいと反対意見を唱える人や足の引っ張り合いが起こりやすい
大企業の巨大組織内では派閥争い・出世競争などが起きやすく、「ライバルが上手くいっていることに不満を感じる」「少しでも躓くとすぐ揚げ足を取る」といったことも起こり得ます。
社内政治への配慮も必要になるなど、スタートアップのように軽快に動きづらいことが多いです。
4. 大企業でも最初は数名で始めるが、エース級の社員は主力事業に割かれる
新規事業を大企業が開始する場合、最初のうちは少数精鋭で取り組みます。
しかし、その新事業で活躍したエース級の社員は、やがて出世という名目で主力事業に割かれることも珍しくありません。
一方、スタートアップは組織が小さい分、特定の事業分野に人的資源を継続的に投入できるので、この点は有利と言えます。
さらに大企業の場合、出世の見込みのない窓際族に「何か新規事業でも考えてやっておいて」と投げるケースもあります。
このような理由で大手の企業が参入してきた場合も、士気旺盛なスタートアップには勝機があるでしょう。
戦略を考え、勝機を見出そう
以上の点を慎重に見ていけば、スタートアップも大企業より優位に立てるチャンスを見つけられるかもしれません。
しかしベンチャー企業であっても、時間をかけてのんびりやっていると競合になる他のスタートアップが市場に登場する、あるいは大手が体制を整え、資本力に物を言わせて反撃に出るといった事態を招くでしょう。
大企業がグズグズしている内に、次々に手を打ってシェアを拡大し、特定のセグメントで大手を寄せ付けないポジションを確立することが大事です。
色々な事業に手を出したがる社長さんは多いですが、自社の戦略を改めて検証した方が良いかもしれません。