世の中は、転職エージェントの広告で溢れています。
しかし、「無料だから」といってなんとなく転職エージェントを使うのは考えもの。
失敗すると、希望する会社に転職したいという目標を達成できないことがあります。
今回は、賢く付き合うために必ず知っておくべき、転職エージェントの裏事情を4つほど解説していきます。
転職エージェントはボランティアではない
「何としても希望する会社に転職したい」という方にとって転職エージェントは心強い味方。
今や、転職を目指す多くの人が、その便利さゆえに利用しています。
しかし、なぜ、転職エージェントは、無料で利用できて、しかも手厚い支援をしてくれるのでしょうか。
サービス内容やシステムを十分に理解していれば、特に問題はありません。
しかし、ただ便利だから、親切だからという理由でなんとなく利用していると、希望する会社に転職できなくなる可能性があります。
また、利用しているつもりが、逆に利用されてしまうこともあります。
彼らと賢く付き合い、自身の目的を達成するためには、転職エージェントのシステムや裏事情など、最低限の知識を知っておく必要があります。
転職エージェントの裏事情4選ぶ
それでは、賢く付き合うために知っておきたい転職エージェントの裏事情を4つ紹介しましょう。
1、無料で利用できるワケ
まず、多くの人が感じている疑問。
「なぜ、無料でサービスを利用できるのか」という点についてです。
その理由はズバリ、「転職先の企業からお金をもらっているから」。
一般的に、企業が人材を集めるために求人を出す場合、2つの方法があります。
- 専用の求人サイトにお金を払って求人を掲載する
- エージェントを介して募集をかける
のいずれかになります。(※スカウトサービスは除く)
後者の場合、採用が決まって初めて、企業はエージェントに対して報酬を支払います。
つまり、費用負担が発生するのは、求職者ではなくて企業。
たとえ転職がうまくいかなかったとしても、求職者が経済的損失を被ることはないのです。
2、やたらと特定の企業をゴリ押ししてくる理由
実際に、何社かでサービスを利用したことのある人ならお分かりかもしれません。
面談の最中や、特定の企業をゴリ押ししてくる場合があります。
その理由は、担当者の一人一人に厳しいノルマが課せられているため。
そのノルマとは、どのようなものでしょうか。
単に成約件数や報酬の獲得の場合もあれば、依頼を受けた特定の企業に優秀な人材を流すことを課せられている場合もあります。
それを知らないでいると、エージェントの口車に乗せられる可能性があります。
その結果、希望していた企業とは全く異なる企業に入る羽目になることもあるでしょう。
もちろん、それが本人にとって幸せな結果になるかもしれません。
しかし、事情を理解し、察し、しっかり意思表示することが大切です。
3、求人紹介を断られるのはなぜ?
転職を希望する企業を伝えても、「そこは紹介できない」と断られるケースもあります。
また、書類審査に出したと言いながらも、実際は出さず、エージェントの判断で「不合格(書類審査落ち)」を伝えてくることもあります。
その理由は、いくつか考えられます。
まず一つ目は、成約率を上げてエージェントがより多くの報酬を得たいというのが理由です。
求職者の経歴やスキル、実績などを考慮した上で、内定の見込みが低いと判断した案件に時間をかけるのは時間の無駄。
内定の見込みが高い案件に時間を割いた方がエージェントとしてはコスパが良いのです。
無理な求人紹介を断られるのは至極当然なことと言えます。
また、
- 希望する案件がエージェントの得意分野ではない
- 求人票に記載できない雇用条件(年齢や国籍)を設定している
というケースもゼロではありません。
断られた場合は、きっぱり諦めるか、他のエージェントを当たるのが得策でしょう。
4、給与交渉やアフターフォローしてくれるのはなぜ?
大半のエージェントでは、求職者が給与アップを望む場合、企業との間に入って代わりに給与交渉をしてくれます。
その理由は、単なる親切心からではありません。
内定者の想定年収によって、エージェントが受け取れる報酬額が決まるためです。
年収が高ければ高いほど、エージェントはより多くの報酬を受け取れます。
しかし、内定が無事決まっても、その人が早期退職をしてしまうと、エージェントは企業に報酬の一部返還をしなければならなくなります。
そのため、早期退職をしないよう、実際に働き始めてからもフォローをしてくれるのです。
これらの点に関しては、エージェントと利用者の利害は一致しているとも言えます。
そのため、特に心配する必要はありません。
【参考】求人サイト経由の転職とエージェント経由の転職、何が違う
転職エージェントの裏事情を理解しよう
無料で利用できて、手厚いサポートをしてくれる転職エージェント。
利用者にとって、一見親切で頼れるパートナーのように思えます。
しかし、彼らが利害関係で動いていることを忘れていはいけません。
彼らにいいように使われないようにするためにも、出来れば複数社登録しましょう。
そして、サービスの質や担当者の対応などを比較しつつ、自分に最適な業者を選ぶことが重要です。