「店を出したい!」と思ったとき、「居抜き物件」にするか「スケルトン物件」にするかは、大きな判断の分かれ目です。
「居抜きだと安い」とは聞くし、斡旋する業者も、良いことばかり言う。
しかし、
「実際のところどうなんだろう?」
「客観的な意見を色々と聞いてみたい!」
と思う方も、いるのでは?
ここでは、事業に最適な物件を選ぶためにも、それぞれの特徴やメリット、デメリットについてみていきます。
【参考】えっ調理師免許は不要?飲食店開業に必要な準備ステップ5つ

居抜き物件、スケルトン物件とは
居抜き物件
居抜き物件とは、前の事業者が使っていた設備や備品、内装がある程度そのまま維持されている物件を意味します。
厨房やキッチン、カウンターテーブルなどの設備に加え、冷蔵庫やガスコンロなどの備品が残されていることもあります。
スケルトン物件
対するスケルトン物件とは、天井や壁、床、内装の設備が一切ない、骨組みだけの物件です。
建物を支えるだけの柱や梁だけが剥き出しのまま残され、コンクリートが打ちっぱなし状態になっています。
居抜き物件のメリット・デメリット
メリット1:余分な時間とコストを省ける
居抜き物件を利用することで、開業するまでの余分な時間とコストを省けます。
居抜き物件の場合、事業開始に最低限必要な設備や備品がすでにあるため、初期投資にかかるコストを押さえられるだけでなく、通常、1〜3ヶ月程度かかる内装の設計や工事の手間と時間も短縮することが可能です。
前のテナントと同じ業種でビジネスを始める場合、看板を変えるだけで済むケースもあります。
余分な時間とコストを省くことで、準備や運営により多くの力を注ぐことができるでしょう。
メリット2:お客さんに認知されやすくなる
飲食や小売などの業種で居抜き物件を利用する場合、集客しやすいという魅力もあります。
前のテナントのお客さんをそのまま取り込める可能性も高まり、事業運営がよりスムーズに進むようになります。
デメリット1:内装やレイアウトに融通が利きづらい
一方で、居抜き物件はその特徴故に内装やレイアウトの融通が利きづらいという難点があります。
現状の設備や内装、レイアウトを変えようとすると、かえって無駄な費用と時間がかかり、なかなか準備が進まない、事業を始められないと言った状況に陥りかねません。
内装やレイアウトにこだわりたい、自分好みのデザインにしたい、という方には居抜き物件はおすすめできません。
デメリット2:設備に劣化や欠陥があることがある
テナントの安全性と機能性に関しては譲渡の際にある程度保証されるため、大きな問題が生じる心配はありません。
しかし、居抜き物件の場合、契約時には問題がなかったとしても後々に設備や備品に劣化や欠陥が生じる可能性もあります。
その際の修繕費は基本的に自己負担となるため、ある程度コスト面でのリスクは事前に確認しておきましょう。
【参考】起死回生!コロナで打撃を受けた飲食店が採り得る打開策
スケルトン物件のメリット・デメリット
居抜き物件に対し、スケルトン物件は初期費用がかかるという難点もありますが、テナント作りや管理などの点に関してはいくつかの魅力があります。
メリット1:自分好みのテナントを作れる
スケルトン物件はゼロの状態から必要な設備や備品、内装やレイアウトを設計、工事します。
よって、前の入居者の好みに制限されない、自分好みのテナントを作りあげることが可能です。
「事業内容やテーマに沿ったテナント作りをしたい」
「内装にはとことんこだわりたい」
という事業者にスケルトン物件は最適です。
メリット2:テナント全体を管理しやすい
スケルトン物件の場合、設備や備品の選定から設置は事業者が主体となって行うことになります。
そのため、設備を含めたテナント全体の管理が比較的しやすいです。
万が一、故障や不具合などのトラブルが生じたとしても保証や修理に関しても把握していることから、すぐに適切な対応ができます。
デメリット1:初期費用が高くつく
何もない状態から必要な設備や備品を設置するには、当然多くの費用がかかります。
例えば、飲食店を始めるためにはキッチンやガスコンロ、水道まわり、排気・排水設備に加え、テーブルや冷蔵庫、その他調理器具など、初期費用だけで100万、1000万単位でかかることもあります。
【参考】デリバリー今からでも始めるべき?メリットデメリットを解説
まとめ
もちろん、業種や業態、また事業内容や規模によってそれぞれ向き、不向きの物件があります。
それらを事前に見極めた上で、居抜き物件、スケルトン物件のどちらかを選び開業準備を進めて行きましょう。