最近、何かと話題のシェアハウス。
他の物件と差別化しやすいことから、不動産オーナーからしても魅力的な物件と言えるかもしれません。
しかし、安易に手を出すのは厳禁。
「かぼちゃの馬車事件」のケースにみられるように、リスクも少なくないのです。
ここでは、シェアハウス投資を始める際に知っておくべき注意点と、成功の秘訣を紹介します。
【参考】トランクルーム投資とは?その魅力と知っておくべきリスク
シェアハウス投資が人気急増中?
シェアハウスの需要は都市部の若者を中心に年々増えてきています。
借りる側にとっては、賃貸よりも割安で、独り身でも寂しくないという魅力があります。
オーナーにとっても、他の賃貸物件の差別化がしやすく、収益性が高いという点で非常に魅力的です。
しかし、シェアハウス投資を始めるには、事業開始のための準備が必要で、特有のトラブルが起きたりもあり、何かと苦労することが多いのも事実。
その心構えも必要でしょう。
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シェアハウス投資の注意点
それでは、具体的にどんな注意点があるのか見ていきましょう。
1. 業者に乗せられない
シェアハウス投資が普通のアパート投資よりも高い収益性を見込めるのは事実。
投資を勧めてくる業者も、その点をアピールしてきます。
しかし、それはあくまでも可能性の話。
営業トークで提示される数値は大幅に盛られているケースがほとんどです。
それを鵜呑みにして、業者が引いたレールに乗って投資を始めると、高確率で失敗します。
そのため、
- 業者から勧誘されても安易に信じないこと
- 自分でしっかり勉強して、客観的に検証すること
が大切です。
2. 入居者の選定に細心の注意を払う
シェアハウスは住民同士の接触が行われます。
それが魅力的である反面、それだけトラブルが発生する確率も高まります。
元々の価値観や生活感のズレが大きな問題に発展することもあるでしょう。
また、そもそも集団生活に向かない厄介者が入居していると、他の住民が流出するリスクもあります。
そのようなトラブルを未然に防ぐためには、細心の注意を払って、入居者見極めるしかありません。
3. 事業開始まで手間がかかる
法律上、シェアハウスは寮や民宿と同じ寄宿舎に分類されます。
そのため、戸建てや普通の賃貸物件をリフォームして始める場合、建築基準法や消防法の規定を満たすことが義務付けられます。
当然、別途内装工事の手間と、その費用もかかります。
また、物件の用途変更届の提出など、特殊な手続きもあります。
それらを考慮した上で、事業開始時期や投資プランを決めていきましょう。
4. 日用品や光熱費は原則オーナーが負担する
シェアハウス投資の場合、入居者が使う日用品や消耗品、光熱費は原則としてオーナーが負担することになります。
管理費や共益費として徴収することも可能ですが、月毎に発生する費用は変動するもの。
その方法だけでは対応しきれないケースも出て来ます。
その点もしっかり踏まえた上で、投資プランの策定や賃料の設定をしましょう。
5. 地域によって需要に偏りがある
いくら人気があるからとは言え、
- 地方など若者の数が少ないエリア
- リーズナブルな単身者用物件が立ち並んでいるエリア
では、シェアハウスの強みを生かしきれません。
もちろん、これはシェアハウスに限ったことではありません。
しかし、物件の選定をする際には、立地調査を入念に行いましょう。
【参考】賃貸経営の差別化戦略!競合に負けないためのアイディアは
シェアハウス投資の成功の秘訣
シェアハウス投資の魅力を最大限に発揮し、事業を軌道に乗せるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
1. しっかりとコンセプトとターゲットを決める
世の中には、誰でもウェルカムなシェアハウスもあります。
しかし、入居者間のトラブル発生リスクを最小限に留め、差別化するためにも、明確なコンセプトとターゲットの設定は欠かせません。
例えば、
- 近隣の女子大学生専用にしてセキュリティ面をアピールする
- 近隣の工場地帯で働いている外国人労働者専用にする
といった形で具体的にターゲットがはっきり描けると良いでしょう。
そうすると、そのような人達にとって本当に魅力的な、選ばれるシェアハウスになるだろうか、という観点から投資事業を分析することができます。
2. 入居者と定期的にコミュニケーションをとる
シェアハウスに入居してくる人たちは、人との関わり合いや温もりを大切にしようとする傾向にあります。
物件のオーナー、大家として、入居者と定期的にコミュニケーションをとりましょう。
入居者と親睦を深めることで入居者の期待に応えることができます。
そうすると、長期的に住み続けてもらいやすくもなるでしょう。
3. 細かな出費まで把握して計算する
事業を始める前に行う経費等の計算、見積もりをする際に、面倒だからといって手を抜いてしまうと必ず失敗します。
事業を成功に導くためには、税金関係から、将来修繕費にかかるであろう費用まで、細かく、なるべく多めに費用を見積もりましょう。
そして、それでも本当に利益が出るのかを冷静に見極めます。
不動産業者などの利害関係者になる人は、都合の悪い情報は隠そうとします。
信用してはいけません。
4. ルールブックを作成しておく
入居契約の際に、基本的な規則等については説明することになります。
しかし、その他に、いつでも気軽にアクセスできるルールブックを作成すると、物件の秩序維持につながります。
一方的にルールを課すのではなく、入居者間でルール決めをさせてみるという方法も効果的かもしれません。
【参考】ワンルームマンション投資で素人がハマる意外な落とし穴5選
シェアハウス投資を成功させよう
シェアハウス投資は、始めるまで、そして始めてから何かと苦労がかかるもの。
しかし、その分、うまくいけば高い収益性を見込めます。
入居者にとって快適な空間づくりができるようそのための心がけや、一緒にコミュニティを形成していくというスタンスを持った上で挑戦してみましょう。