不動産投資は、様々な動機で、そして、比較的長期的なスパンで行われるものです。
- 不労所得を得たい
- 老後のための資金形成をしたい
など、様々な目的があります。
しかし、形あるものである限り、何かしら「終わり」の時は必ず来ます。
今回は、不動産投資を始める前に絶対知っておくべき出口戦略について、その重要性や適した物件、成功の秘訣について解説します。
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出口戦略とは?不動産投資で忘れてはいけない
不動産投資において、利回りの良さや毎月の家賃収入がどれくらいかということは多くの人がまず意識すること。
しかし、出口戦略については、意識しない人も少なくないかもしれません。
不動産投資における出口戦略とは、投資から得られるリターンを最大化するために、保有し続けるのか、売却するとしたらいつどのように売却するのかについて考えることです。
たとえ当面は安定した収益が得られていても、その状態が継続する保証はありません。
不動産を保有するなら、出口戦略を立てておかなければ、大きなリスクを被ってしまうことがあるのです。
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出口戦略を立てやすい物件の特徴
無数にあるかにも思える、不動産投資用物件。
その中には、出口戦略を「立てやすい」物件が存在します。
その特徴について、いくつか見ていきましょう。
1. 生活上の利便性が高い
まずは、生活上の利便性が高いエリアに位置している物件。
これは、出口戦略を立てやすい、非常に将来性のある物件と言えます。
例えば、
- 駅に近い
- スーパーやコンビニ、郵便局が周囲にある
物件がそれに該当します。
その他にも、
- 周辺への通勤や通学がしやすい
- 都心へのアクセスが良い
といった物件は、年数が経過してもすぐに買い手が見つかりやすい傾向にあるもの。
出口戦略を立てやすい物件であると言えるでしょう。
2. 治安が良い、セキュリティが充実している
次は、治安が良いエリアにある物件や、セキュリティが充実している物件。
これらも、ファミリー層や単身女性など幅広いニーズに対応していることから、比較的売却を見込みやすいもの。
場合によっては、高値での売却も期待できるでしょう。
3. 世帯の増加率が高いエリアに位置している
そして、世帯の増加率は投資用物件を選ぶ際の非常に重要な判断材料の一つ。
ちなみに、世帯の増加率は国勢調査から調べることができます。
これも、出口戦略に加え、安定した収益を得るためにも考慮すべきことです。
もちろん、世帯が多ければ、それだけ買い手の幅が広がります。
借りてもらいやすくなったり、買ってもらいやすくなったりもするでしょう。
とは言え、世帯の増加率を正確に見極めるのは決して容易ではありません。
また、現在は増加傾向にあっても、その状況がずっと続くとも限りません。
そのため、再開発、都市開発のプロジェクト等が予定されていないかなど、入念なリサーチをした上で判断する必要があります。
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出口戦略を成功させる秘訣
出口戦略を成功させるためには、ただ単にそれに適した物件を選べば良いというわけではありません。
実際に、不動産投資を始める前から押さえておくべきポイントがいくつかあります。
1. 物件を購入する「前から」戦略を立てておく
出口戦略は実際に物件を購入してから考えるのでは手遅れとなるケースもあります。
必ず、購入する前の段階で具体的な戦略、プランを立てておきましょう。
もちろん、永続的に物件を所有したいと思っていたとしても、キャッシュフローが悪化して売却せざるを得ないという状況に陥る可能性もあります。
必ず出口戦略は立てておくようにしましょう。
2. 売買仲介業者に売却の依頼をする
実際に物件を売却するためには、
- 売買仲介業者に依頼する
- 買取業者に依頼する
- 個人で買い手を見つける
のいずれかの手段を選ぶことになります。
この中で最も効率的で、納得できる価格で売却できる手段は
1. 売買仲介業者に依頼する
でしょうか。
2. 買取業者に依頼する
の場合、物件をスピーディに売却することが可能になります。
しかし、実際の買取価格は市場価格よりも2〜3割ほど安くなってしまいます。
売却時の価格やその方法を自由に決めたいのであれば、
3. 個人で買い手を探す
といったこともできます。
しかし、個人で売買する場合、トラブルが発生しやすいというリスクが伴うでしょう。
3. 定期的なメンテナンスを怠らない
- 「利回りがよく、収益が見込める」
- 「需要が高く、流動性が高い」
これらは、出口戦略を成功させるために欠かせない条件。
たとえ好立地な物件でも、それだけで良いわけではありません。
- 物件に欠陥が残されている
- 設備が壊れていたりする
といったことがあると、それだけで価値が下がってしまいます。
たとえ売れたとしても、買取価格が大幅に下がってしまうでしょう。
そのような状況に陥らないためにも、購入後も定期的なメンテナンスをすべきです。
4. 内覧前にハウスクリーニングを依頼する
売却時には買取希望者が実際にその物件を訪問し、内覧することになります。
その際、室内に汚れやキズ、劣化箇所があると、値引き材料に使われてしまいます。
大規模で高額なリフォームをする必要はありませんが、少しでも良い印象を持ってもらうために内覧前にはハウスクリーニングを依頼しましょう。
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出口戦略についてしっかりと考えておこう
不動産投資は、出口戦略を考えた上で事業を始めることが重要となります。
何十年も先のことを予測するのには限界がありますが、ここで紹介した出口戦略を立てやすい物件の特徴や成功の秘訣を参考にしつつ、まずはどんな目標を設定するのか、どんなことを実現したいのか考えることから始めましょう。