経営者になるためには、どうすればよいか。
「自ら事業プランを練って会社を興す」ことこそが、従来のスタイルでした。
しかし、近年、既存の会社を買収して経営者になる仕組みが注目を集めています。
それが、「サーチファンド」と呼ばれる仕組み。
今回はサーチファンドについて、その仕組みやメリット、課題について解説します。
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サーチファンドとは?
サーチファンドとは、投資モデル、M&A手法の一つ。
経営者を志す者(サーチャー)が自力で企業を買収し、その企業の経営者になるための仕組みです。
これは、1980年代頃にアメリカで生まれた仕組み。
元々は、MBAの取得者や、経営に意欲のある若者に対し、経営にチャレンジできる枠組みを提供しようとしたのが始まりとなります。
ちなみに、サーチファンドを活用して企業の経営者になるためには、
- 経営したい企業の発掘
- 出資してくれる投資家の募集
- 実際の買収手続き
まで、基本的にサーチャーが主体的に進めていきます。
日本国内でも、実際にサーチャーによる買収件数やサーチファンドに投資する企業も年々増えてきています。
起業せずに経営者になるための画期的なシステムとして注目を集めているのです。
サーチファンドの仕組み
経営者を志すものがサーチファンドを活用して実際に会社を買収するまでの流れは次の通りです。
- サーチャーが活動計画書を作成し、投資家に提出
- 投資家がそれをチェックし、活動資金を出資する
- サーチャーが買収したい企業を見つけ、買収資金の出資を依頼する
- 出資を受けて買収後、サーチャーはその会社の経営者になる
- 経営による利益を投資家に還元する
以上のように
- 買収先の企業を見つける活動のための資金
- 実際に企業を買収するための資金
とで2段階で出資が行われるのがサーチファンドの大きな特徴と言えるでしょう。
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サーチファンドで経営者を目指すメリット
それでは、サーチファンドを利用して経営者を目指すメリットを紹介します。
1. 経験がなくても経営に挑戦できる
サーチファンドを利用して経営者になる一番のメリットは、経営の経験がなくてもチャレンジできることでしょう。
もちろん、上手く経営できるかは別の話。
しかし、サーチャーとして出資を募り経営者になるチャンスは誰にでも平等にあります。
- 「知識はあるけど起業するのはハードルが高い」
- 「若いうちに経験を積みたい」
そのような方にとって、サーチファンドはまさに画期的なシステムと言えるでしょう。
2. 経営者としてのビジョンを描きやすい
自ら事業計画を立てて実際に起業し、会社の経営者になっても、本当にやりたかったことと現実との間に乖離が生じることは珍しくはありません。
一方、サーチファンドを利用する場合、すでに出来上がっているビジネスモデルを見極めることができます。
その上で、買収したい企業を選べるため、ミスマッチは起きにくいでしょう。
3. ゼロからビジネスを立ち上げる必要がない
ゼロから起業する場合、
- ビジネス展開に必要な設備を整えたり
- リソースを確保したり
と多くの資金が必要となります。
場合によっては自己資金の拠出も求められるでしょう。
また、登記や各種届出などの手間もあなどれません。
実際に事業を始めるまでに多くの時間もかかるでしょう。
しかし、サーチファンドの場合には経営者になるための必要資金は投資家による出資で賄うことが可能。
オフィスもそのまま引き継げる可能性が高いでしょう。
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サーチファンドで経営者を目指す上での課題
1. 投資家と買収先の企業を説得できるか
サーチファンドを利用すれば、誰でも経営者になれるわけではありません。
買収に必要な資金を調達し、実際に企業を買収するためには、まず、投資家や買収先の企業など、利害関係者からの合意や支援を得なければなりません。
対象となる企業を買収することでどんな成果を達成できるのか?
どんなリターンが生まれるのか?
このようなことを事前に調査し取りまとめ、説得することが、最初にサーチャーに課せられるタスクとなります。
2. プレゼン力や交渉力があるか
会社を買収して経営者になるためには、多くの人を巻き込まなければなりません。
そのためには、巧みなプレゼン能力や、タフな交渉力が必要となります。
たとえどんなに経営に関する知識があったとしても、利害関係者を動かせなければ、買収は成功しないでしょう。
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サーチファンドを活用して経営者になろう
サーチファンドには、
- 経験がなくても誰でも経営に挑戦できる
- ゼロから起業する必要がない
といった魅力があります。
ビジネスパーソンとしての人生は、一度きり。
サーチファンドを活用して、是非経営者への道を切り開きましょう。