RPAは経理を効率化する!活用するメリットと導入事例3選

近年、IT技術の進歩にともない、ビジネスの場にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:Robotic Process Automation)が導入されるようになっています。

特に経理部門の業務と相性が良いといわれ、導入によって得られるメリットが多いとされます。

そこで今回は、経理にRPAを導入するメリットと導入事例について詳しくご紹介します。

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RPA経理

 

RPAとは?導入により業務効率化を実現

RPAとは事前に設定されたルールや規則のもとで、人間に代わって自動で業務を行うシステムのことです。

RPAに注目が集まるようになったのは2015年前後。

当時、海外の企業では社内業務を代行する外部委託サービス業であるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング:Business Process Outsourcing)が成長しつつありました。

これら外部委託サービス業を行う企業の多くが、多様な業務を代行する際にRPAを積極的に活用していたため、「RPA」が次第に社会の中で認知されていったのです。

その後日本でもRPAの有用性に注目が集まるようになりました。

日本では少子高齢化により労働人口が減りつつあり、人間の代わりに業務を行うRPAが、人手不足の課題を解決するシステムになり得ると考えられたのです。

RPAの導入によって、従来人の手で行われていた業務が自動で素早く行われるため、人間が行うよりも業務を大幅に効率化できます。また、人為的なミスがなくなり、業務精度を向上できる点も大きな利点です。

 

RPAとAIの連携も

さらに現在、RPAにおいて期待されているのがAIとの連携による能力向上です。

AIとは機械学習によって物事の法則を発見し、それに基づく主体的な判断を行えるソフトウェアを指します。

あらゆるシステムに組み込むことができるとされ、意思決定を行う際の司令塔としての役割を担うことも可能です。

RPAとはあくまで業務を自動化するシステムを指す言葉ですが、RPAにAIを搭載することで、自らが判断し・自動的に作業を行うというより高度なシステム構築ができるようになるでしょう。

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経理にRPAを活用することのメリットとは?

RPAであっても、経営戦略に関わる高次の意思決定やクリエイティブな作業までは自動化できません。

そのためRPAが得意とするのは、あらかじめ手順が設定されている定型業務がメインの分野です。

特に経理業務が行う帳票処理や計算業務はイレギュラーが少ないので、RPAが力を発揮しやすい領域と言えます。

では、具体的に経理部門にRPAを導入するとどのようなメリットがあるでしょうか。ここでは以下の3点について解説します。

 

①経理業務の効率化

例えば、経理業務の中で手間がかかる作業の一つに経費精算がありますが、RPAであればすべて自動で処理することが可能です。

経費精算は「社員による経費精算書の作成→上司のチェック・承認→経理担当者のチェック・承認→経理担当者による仕訳入力・精算」という4つの手順を踏む必要があります。

しかしRPAであれば、それらの作業をすべて自動で対応することが可能です。

人が行うよりも、業務効率を大幅に向上させることが期待できます。

 

②経理に必要な人員を減らせる

また、RPAによりある程度複雑な作業も自動化できるため、経理に必要な人員を減らせるという点も大きなメリットです。

人的資源を減らせることで人件費の抑制につながるほか、経理に配置していた人材を他の人手不足の部署に回すこともできます。

 

③業務精度の向上

RPAは人間だと起こり得る「見落とし」や「うっかりミス」などは生じません。正確な作業が可能です。

経理部門でこうしたヒューマンエラーが起こると、その修正のために更に時間をかけて対応する必要があります

正確かつ迅速に必要な作業を行える点は、人間にはないRPAならではの特徴です。

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経理にRPAを導入した事例を紹介

経理にRPAを導入した事例を3つご紹介しましょう。

RPA経理case

マルエツ

スーパーマーケットを運営しているマルエツが、NECの提供のもと社内の交通費精算業務と会計システム入力業務にRPAを導入しました。

導入に先立ち行われた実証実験では、それまで月あたり約200時間かかっていた経理業務が、RPAの導入により20時間までに減らせたとのこと。

人が行う工数でいうと、約9割も削減できたのです。

工数が多いと業務が複雑化し、それを新人社員に教えるための教育コストも発生しますが、RPAによりそのコストもまた抑制できたといいます。

 

J:COM

ケーブルテレビ事業などを行っているJ:COM(ジュピター・テレコム)は2018年9月から顧客からの入金の処理にRPAの活用を開始。

銀行に振り込まれた金額の確認・システムへの登録作業などをすべて自動化。

このRPAの導入によって、それまでの業務時間の50%を削減でき、年間で約3,000万円の費用削減に成功したと言われています。

 

立命館大学

付属中高を合わせると学生数約5万3,000人に上る学校法人立命館大学では、2018年の夏から経理業務にRPAを導入。

それまで手作業で行っていた各種経理業務、例えば預り金の設定や証紙入金業務、台帳と現物の照合データ作成などにRPAを活用することで、業務効率が大幅にアップしました。

RPAを導入する際は、財務経理課内でどの業務に適用するのかの優先順位をつけ、課題解決への貢献度が大きい領域から活用を開始。

セキュリティ対策やエラー対応の面から職員の就業時間のみに稼働するなど、独自の運用ルールも設定しています。

 

経理とRPAの相性は良好!導入によるメリットは大きい

RPAとは人間に代わって業務を行う自動化システムのことで、定型業務と相性がよく、特に経理部門での有用性に注目が集まっています。

経理部門にRPAを導入すると業務の効率化、経理部門の人的資源を減らせる、業務精度の向上などの面において特にメリットが大きいと思われます。

ただし、RPAの導入にはシステム構築にコストがかかること、システム障害などにより停止するリスクがあること、といったデメリットもあります。

実際に導入する際は、バックアッププランも考えながら慎重に準備を進めましょう。

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