転勤のデメリットは?脱転勤を目指す企業の取り組み

一昔前までは、

  • サラリーマンは転勤してなんぼのもの
  • 転勤なしに出世はできない

そのような風潮が日本社会にはありました。

しかし、近年、それが変わりつつあり、「脱転勤」の動きが加速しつつあります。

転勤には企業、労働者にとって様々なデメリットやリスクがあります。

ここでは、転勤のデメリットと、参考にすべき脱転勤に取り組む企業の事例を紹介します。

【参考】新卒の定着率を上げる施策6選!「会社のために」はもう古い

 

転勤のデメリット

 

転勤制度は日本企業の悪しき風習?

これまで多くの日本企業で当たり前のように実施されてきた「転勤」。

企業によっては、勤務地を転々と変えていく「転勤族」なる言葉もあります。

そして、実は、この常識が近年、見直されつつあります。

リモートワークの普及やデジタル技術の発達によって、場所を問わない働き方が浸透してきたのもその要因の一つ。

しかし、従業員の側にも、転勤に対して難色を示す人が増えてきていることもあるのです。

 

転勤がある会社は選ばれにくくなる?

転勤は、会社の一方的な都合だけで実施されることがほとんど。

難色を示したら、

  • 正社員として採用されない
  • 昇格できない

等の不利益を被ることも。

転勤を打診され、しぶしぶ了承している人も少なくないはずです。

もちろん、会社にとっては、メリットがあるからやっているわけです。

しかし、時代の流れとして、就職活動を行う学生も、なるべく転勤がない企業を選ぶ傾向が強まっています。

多様な働き方やワークライフバランスが尊重されるこれからの時代。

転勤の強制は、徐々に時代にそぐわない制度になっていくのかもしれません。

【参考】長時間労働になるのはどこから?発生する原因と回避策を解説

 

企業にとっての転勤のデメリットとリスク

それでは、具体的に転勤のデメリットやリスクについて、まずは企業の視点から考えていきましょう。

 

そのまま退職されてしまうことがある

特に遠方への転勤、長期間の転勤を社員に課す場合は、注意が必要。

場合によっては、そのまま退職されてしまうことがあります。

多くの企業において、転勤については、就業規則に明記されているはずです。

社員がそれを断ることは原則として認められません。

断ろうものなら、降格や左遷の対象になってしまうこともあります。

しかし、家庭の事情等で、どうしても転勤できない場合があります。

となると、「いっそのこと辞めてやろう」考える人が出てきても不思議ではありません。

 

転勤する社員への手当、費用負担が必要

転勤に伴う移動費、引っ越し費用などは基本的に会社側が負担することになります。

その他にも、各種手当が支払われるケースが多いでしょう。

全く費用や手当が出ない会社は「ブラック企業」と言えるでしょう。

転勤する社員数が多い場合は、それだけ多くの費用負担が発生します。

【参考】在宅勤務でサボりが増えた?防ぐために考えるべき5つの対策

 

労働者にとっての転勤のデメリットとリスク

 

私生活に大きな影響が出る

社員にとっての一番のデメリットは、私生活に大きな影響が出ることです。

転勤のリスクがあると、安易にマイホームを購入することもできないでしょう。

住所変更するとなると、その手続きも大変です。

単身赴任ともなると、パートナーや家族とも離れて生活することになります。

親の介護があったりすると、猶更大変です。

 

職場環境の変化による精神的負担の増加

転勤を何度も繰り返せば、その都度新しい生活、新しい職場環境に慣れる必要があります。

精神的な負担も大きくなってしまうでしょう。

また、寂しさから不倫に走り、家庭崩壊のきっかけになってしまうこともあるのです。

【参考】社内転職制度とは?メリット、デメリットと運用のポイント

 

脱転勤に取り組む企業の事例

今なお、多くの企業で、転勤制度は残っています。

しかし、転勤のデメリットや、社会動向を鑑みて、脱転勤に取り組む企業も少しずつではありますが増えてきています。

ここでは、具体的な事例について見ていきましょう。

 

NTTグループ

通信の大手、NTTグループ

同社は、2022年度以降、転勤や単身赴任制度を無くしていくことを表明しました。

その一方で、全国にある空きスペースを、リモートワークやサテライトの拠点として積極的に有効活用。

新しい働き方の実現を目指します。

ちなみに、NTTグループでは、国内にいる全従業員約18万人の内、すでに半数以上がリモートワークを中心とした勤務スタイルを取っています。

今後、その規模を拡大していく見込みです。

 

AIG損害保険

全国に100以上の拠点を持つ外資金融大手のAIG損害保険

2019年から、会社都合の転勤の廃止に向けた取り組みを進めています。

そして、2021年1月には全面廃止に踏み切りました。

また、管理職部門の都内オフィス勤務制度も撤廃しました。

将来的には、全ての社員が希望する勤務地で働けるようにするための取り組みも進めてます。

このように社員が働きやすい環境を整えることで、転勤廃止前と比べて10倍以上の応募が来ているそうです。

 

明治安田生命

生命保険の明治安田生命株式会社

同社は、2014年頃から、子持ちの男性社員を対象とした転勤の免除制度をすでに始めていました。

しかし、2021年の春から、新たな働き方の取り組みを始めています。

リモートワークを積極的に活用しながら、地方支社で勤務する社員が転居しなくても、東京本社の部署で働ける仕組みを導入。

今後もその規模を拡大していく方針です。

【参考】玉突き人事とは?ジョブローテーションと何が違ってどう問題

 

転勤のデメリットを回避しよう

転勤は、働く人の意向をしっかり汲んだ上で実施すれば、得られるメリットもあります。

「ただ転勤を無くせば良い」というものではないのです。

しかし、リモートワークの実施やオフィスの分散など、働き方を柔軟にすることで、いいとこどりが出来る可能性はあります。

転勤の実施方法や意義、制度の有無そのものについて議論していく余地は、十分にあると言えるでしょう。

【参考】リストラの種類や解雇の際に満たさねばならない4つの要件

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