対面で会話するよりも、チャットツールを使ってやりとりをする機会が増えた昨今。
Slack、Chatwork、LINE、Messenger、他にも多数のツールが使われています。
中高年の社員のチャットマナーが問題視されるようになりました。
「おじさん構文」なる言葉の登場は、その象徴と言えるかもしれません。
最近よく聞くようになった「おじさん構文」とはどんなものなのかを踏まえた上で、新時代のチャットマナーを解説します。
おじさん構文とは
おじさん構文とは、主に以下のような特徴を含む、年配社員特有の文面やメッセージの送り方を指します。
- カラフルな顔文字や絵文字、記号を濫用(「今、電話してOK📞❓」等)
- 語尾をカタカナにする(「了解👍お願いネ❗️」等)
- 文末に(←)をつけ、その後のセルフツッコミや自虐を綴る
- 文末に(汗)(泣)(笑)など感情を表す漢字を()で囲み、加える
- メッセージの書き出しが異様に馴れ馴れしいフレーズや挨拶から始まる
- 長文や句読点が多い
例えば、こんな感じです。
「〇〇ちゃん、オハヨー❗️❗️😄昨日はよく眠れた❓❓おじさんはよく眠れなかったヨ(汗)←飲み過ぎちゃった😂ところで、明日の10時から、会議室取っておいてもらえる❓❓🙏します」
チャットのマナーは大丈夫?
テレワークなど、非対面で仕事をする機会が増えてきた昨今。
メール、チャットツールを利用する機会も増えてきました。
そして、同時に、その際のマナーも注目されるようになっています。
マナーは、これまで若手社員が年配社員に対して守るものというイメージが強かったかもしれません。
しかし、近年、その逆の傾向も顕著になってきています。
【参考】ハラスメントとは?知っておきたいこんなものまで「●●ハラ」
令和のチャットマナーを知って「おじさん構文」を避ける
以上を踏まえた上で、これからの時代、年配社員も含め、誰もが守るべき社内チャットマナーの基本について見ていきましょう。
可能な限り端的に、丁寧な言葉遣いで
- 「おはようございます」
- 「お世話になります」
- 「お疲れ様です」
など、どのような場面でも、簡単な挨拶は必要です。
しかし、どのような場面でも、メッセージはなるべく端的に。
そして、部下に対してでも、丁寧な言葉遣いをするように心がけましょう。
挨拶文をダラダラ書いたり、仕事上関係のないことを含めたりするのはご法度。
不快感を与えるだけでなく、どんな要件なのか伝わりづらくなってしまいます。
また、
- 「〇〇しといて」
- 「まだできてないの?」
など、きつい言い方をしてしまうのも止めた方が賢明。
削除しても、削除履歴は残りますし、キャプチャーされていることもあります。
絵文字、顔文字、スタンプの使用は控える
「おじさん構文」という言葉からもわかるように、絵文字や顔文字、その他イラストスタンプを多用したメッセージは時代遅れで、場違いです。
ビジネスの場面には不適切で、若手社員にとっても不快でしかありません。
業務時間外の私的なやりとりならまだ救いがあるかもしれません。
しかし、業務指示や業務連絡の際には、それらを使わないようにしましょう。
質素な文面でやりとりするのが最低限のマナーです。
プライベートに干渉しない
特にZ世代と呼ばれる世代は、仕事とプライベートをはっきり区別する傾向にあります。
- 上司にプライベートなことを突っ込まれる
- 業務時間外に上司からメッセージが来る
といったことに対し、強い嫌悪感を示します。
場合によっては、セクハラだ、パワハラだと言われることもあります。
メッセージを送るタイミングも含めて、気をつけましょう。
連続でメッセージを送らない
チャットツールの種類によっては、一画面に双方の文面が表示されるものがあります。
そのようなツールでは、一つの要件を複数個のメッセージに分けて送ることも可能。
しかし、あまりに連続でメッセージを送るというのは、ご法度です。
あまりにも長くなり過ぎないなら、メッセージはなるべく1つにまとめて送りましょう。
おじさん構文を避けて快適なやりとりをするポイント
【報告】、【相談】など【】を使ったタイトルで書き出す
件名やメッセージの冒頭に【報告】【相談】など【 】を使ってタイトルを作りましょう。
一目見ただけで、どんな要件なのかを判断しやすくなります。
要点や要件は箇条書きに
文章だけのメッセージではなく、
- 要点や要件を箇条書きにする
- 適度にスペースを作って見やすくしたりする
といったことも、円滑に、そして快適にやりとりするために実践すべきポイントです。
“>”や”@”などメンション機能を使って返信する
複数人のグループチャットでは、誰が、誰に対して、どんな内容を送っているのか分かりづらくなることがあります。
また、「あの件」や「それ」など指示語の使い過ぎも誤解や認識のズレを招く要因に。
そのような時は、「>」や「@」などのメンション機能を使って返信しましょう。
特定のメッセージが自動で引用されたり、宛先を指定できたりします。
【参考】オワハラとは?刑事罰にもなり得る行為の危険性とデメリット
おじさん構文を避けて良いマナーを
最近では、メールよりも専用のチャットツールを用いてコミュニケーションを取ることが増えてきました。
ビジネスパーソンである以上、マナーを意識することは当然。
更に、チャットツールの機能を理解し、使いこなす努力も全てのビジネスパーソンに求められます。
対面では頼れる上司でも、メッセージの送り方次第で部下からの評価が下がってしまうこともあります。
くれぐれも文面や送り方には注意しながら、マナー良く振舞いましょう。