オフボーディングとは?重要性と成功のコツ3つを解説

転職が当たり前の時代になってきている昨今。

企業には退職や転職を希望している社員が、スムーズにそれらを実現できるようにサポートすることが求められます。

それを、「オフボーディング」と呼ぶことがあります。

「オンボーディング」と意味合い的には逆になります。

ここでは、オフボーディングについて、その意味を踏まえた上で、その重要性や意義、実施していくためのポイントについて解説します。

【参考】オンボーディングとは?OJTとの違いや導入するメリットは

 

オフボーディング

 

オフボーディングとは?

オフボーディングとは、退職の意思表明を受けた時から退職が完了するまで、社員との良好な関係を維持しながら必要な手続きをスムーズに済ませたり、社員をサポートしたりするための制度や取り組みです。

入社後、会社にすぐ馴染めるようにする「オンボーディング」とは対称的な制度。

オフボーディングは、具体的には、

  • ヒアリングして退職理由を聞き出す
  • 面談を通して会社や社員双方の意見、認識を確認し合ったりする

ために行われます。

これは、退職希望者を無理に引き止めるための施策ではありません。

あくまで、お互いが気持ち良い状態のまま退職を完了させること、が大きな目的です。

【参考】早期離職の防止、どうすればいい?考えられる原因と対策3つ

 

なぜオフボーディングが重要なのか

退職していく社員のためにわざわざ手間や時間をかける必要があるのか、という疑問を持たれる方もいるでしょう。

しかし、オフボーディングはその社員にとってはもちろん、会社にとっても重要な取り組み。

その理由についてみていきましょう。

 

突然の退職を防ぎ、業務に支障を出さないため

  • 何の前触れもなく突如社員が辞めてしまう
  • 社員が突然来なくなったりする

近年、そのような事例が多発しているといわれます。

そして、そのことは、社会問題の一つとして扱われるようになりました。

その場合、当然ですが、

  • 引き継ぎも成されないため、他の社員の負担が増える
  • 通常業務そのものに支障が出てしまう

ということが、起こり得ます。

オフボーディングを実施することで、退職を考えている社員を、会社側があらかじめ把握できるかもしれません。

そうなると、突然の退職や業務に支障が出ることを回避できるのです。

 

不満や課題を見つけて、社内環境改善につなげるため

退職理由が、必ずしもネガティブな内容とは限りません。

しかし、多くの場合、

  • 待遇が悪い
  • 残業が多い
  • パワハラ上司がいる

など、会社側に何かしらの不満があるケースが大半でしょう。

どのような会社でも、多かれ少なかれそのようなことはあるものです。

しかし、それらを認知せず放置していると、次々に人材が流出してしまう要因にもなりかねません。

ヒアリング等を実施して、不満や課題を見つけられれば、早期に社内環境の改善につなげ、人材の流出を食い止めることができるかもしれません。

 

会社の評判を落とさないため

今の時代、転職希望者同士のコミュニティも大いに発達しています。

Twitter等のSNSを活用し、多くの人が情報を交換をし合っています。

そのため、会社の良い評判はもちろん、悪い評判もすぐに広まってしまいます。

「どうせ退職するのだから…」と思って退職が決まった途端に冷遇したり、あからさまに嫌がらせをしたりすると、それが社外に広まる可能性があります。

そうなると、会社の評判が落ち、応募が減ってしまうかもしれません。

余計なことをして評判を落とさないようにするためにも、退職するまで、しっかりと社員のケアをしなければならないのです。

 

出戻りしてくれることが期待できるため

近年では人手不足の解消策として、出戻りを受け入れるという流れが広まっています。

出戻りとは、以前勤めていた会社を一度退職した社員が戻ってくること。

アルムナイ制度などと併せて、注目されている流れです。

退職してしまったからといって縁を切るのではなく、元社員と会社との良好な関係が築けていれば、「また働きたい」と戻ってきてくれる可能性も高まります。

【参考】アルムナイ制度とは?導入のメリット3つと成功のポイント3つ

 

有意義なオフボーディングにするためのポイント

それでは、有意義なオフボーディングにするためにも、以下の3つのポイントに留意しておきましょう。

 

1、転職成功を最大限にサポートする

まず、社員が退職、転職するにあたり、企業はできる限りサポートしましょう。

例えば、

  • 転職活動のための有給取得を許可する
  • 転職先や社員本人から紹介状などの書類の作成を依頼されたら快く引き受ける

といったことです。

もちろん、業務に支障のないようにする、ということが前提の上での話。

また、特別扱いする必要はありません。

スムーズに転職できるよう、可能な範囲で支援やサポートを行います。

 

2、これまでの待遇などについて評価してもらう

また、退職予定の社員から、待遇や職場環境、その他会社についてのフィードバックをしてもらいます。

  • なぜ退職しようと思ったのか
  • 良かった点、悪かった点はどこか

といった内容について評価してもらうことで、職場環境の改善や見直しに役立ちます。

 

3、退職を止めない、退職希望者の意思を尊重する

優秀な社員で会社への貢献度が高い場合、どうしても引き留めたくなってしまうもの。

しかし、オフボーディングにおいては、当人の意思を第一に優先することが大切です。

無理に引き留めようとすると、会社の印象が悪くなってしまいます。

そして、会社の評判を落とす原因にもなりかねません。

【参考】玉突き人事とは?ジョブローテーションと何が違ってどう問題

 

オフボーディングをうまく実施しよう

社員の転職は、会社にとって良いことではないということの方が多いでしょう。

しかし、世の中の流れを考慮すれば、仕方のないこととも言えます。

オフボーディングを実施して良好な関係を維持したまま気持ちよく送り出してあげることで、他の社員の離職防止や職場環境の改善など企業にとってもメリットがあります。

逆境をチャンスに変えるためにも、前向きに取り組んでいきましょう。

【参考】360度評価とは?公平な評価のための施策のメリットと注意点

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