優秀な人材だけど今は間に合っている、という状況はよくあること。
そのような場合、せっかく優秀な人材に出会えても、採用を見送らざるを得ません。
見送られた側も、失望して、離れて行ってしまうということはよくあるでしょう。
そういう時、是非知っておきたいのが、タレントプールという考え方。
ここでは、優秀な人材との出会いを無駄にしないため、採用担当者が知っておくべきタレントプールについて、その意味や構築する重要性、運用のコツについて解説します。
タレントプールとは?
タレントプールとは、今後、採用する見込みのある人材について、そのスキル、経歴などの個人情報を蓄積し、保管しておくためのデータベースを意味します。
- 採用枠の上限をすでに満たしてしまった
- 方針が変わって、必要だと思っていたポジションがなくなってしまった
ということがあると、素晴らしい人材であっても、自社に迎え入れることが難しくなることがあります。
ご存知の通り、優秀な人材には、なかなか出会えないもの。
せっかくの機会を無駄にしないために、採用を見送った過去の候補者についてのデータを保管し、タレントプールを作っておくことで、いつか必要な時が来た際に、すぐに連絡が取れるようになります。
タレントプールの構築はもはや常識!?
この考え方は、世界的に有名な企業でもすでに導入されています。
などが代表的な企業として挙げられます。
採用の売り手市場化が進み、人材獲得競争が激化している昨今。
タレントプールの構築は、採用活動の先端を走る企業にとっては今や常識になりつつあります。
もしかすると、「今は人手が十分」と思われているかもしれません。
しかしながら、VUCAとも呼ばれるこの時代。
いつ、どんなことが起きるかは予想できません。
不測の事態に陥っても、優秀な人材を獲得し、企業が成長を続けていくために、タレントプールは大きな力になることでしょう。
【参考】リクルーターとは?メリット・デメリットと候補者の選考基準
タレントプールの重要性
基本的には、必要な時に必要な人材を獲得することがタレントプール構築の一番の目的。
しかしながら、その他にもいくつか目的があります。
具体的にみていきましょう。
採用活動を効率化、最適化するため
近年、求人媒体や採用そのものの手段が多様化してきています。
そして、それによって、採用担当者にかかる負荷も大きくなっているとされます。
しかし、タレントプールがあれば、負担を大きく減らせる可能性があります。
わざわざ求人を出したり、情報発信したりしなくてもいいかもしれません。
タレントプールを見て、予め目星がついている人に直接アプローチすれば良いのです。
そのため、手間とコストを削減でき、採用活動の効率化、最適化が実現できるでしょう。
転職潜在層にアプローチするため
高度なスキルや知識を有している人材は、どこの業界でも引く手数多であることが一般的。
すでに好条件で他社に雇われており、転職を考えていない人もいます。
その場合、求人を出しても意味がないということもあります。
しかし、タレントプールがあれば、そのような転職潜在層にもアプローチが可能。
より良い条件を提示してオファーをかけたり引き抜いたりすることもできるでしょう。
【参考】ブラインド採用とは?多様化社会に必要な施策のメリットとは
構築の仕方、運用のコツ
それでは、タレントプールの構築の仕方や、運用のコツについて見ていきましょう。
蓄積するデータの基準を設ける
「優秀な人材」といってもその定義は様々。
企業によって、求められるスキルや、人材のタイプは異なります。
そのため、構築にあたっては、まずはその定義を明確するところからはじめます。
蓄積するデータ、人材の基準を設けるのです。
構築の手段を決める
タレントプールの構築手段には、大きく2通りあります。
- 独自のデータベースを作る(社内のプログラマーやエンジニアに依頼)
- 既存のサービス(LinkedIn、Facebookなど)を利用する
これは、どちらが良いというわけではありません。
運用にあたり専門知識が必要か、素人でも扱えるか、という点を見極めた上で、その手段を選びましょう。
候補者と定期的にコンタクトを取り、関係性を築いておく
いきなりオファーをかけても、受けてもらえる可能性は高くありません。
候補者側からすると、馴染みのない企業からのオファーは迷惑になることもあるのです。
また、有意義に活用するためには、データを蓄積しても、放置してたらダメ。
- 候補者と定期的にコンタクトをとる
- 情報を発信する
といったことを通じて、ある程度の関係性を築いておく必要があります。
徐々に関係性を築いたら、タイミングを見計らって、声を掛けます。
【参考】コンピテンシー面接とは?フレームワーク「STAR」を活用
タレントプールを活用して優秀な人材を確保しよう
上述の通り、データベースの構築や管理にはもちろん手間やコストがかかります。
しかし、タレントプールがあることで、企業のニーズに合った優秀な人材を獲得できるチャンスが格段にアップします。
データを蓄積して満足してはいけません。
候補者と上手く関係を築き、自社について認知してもらうことが何よりも重要となります。
また、データベースは、個人情報でもあります。
セキュリティやプライバシーの保護に細心の注意を払いながら上手に活用していきましょう。