社労士(社会保険労務士)とは?相談や依頼できる業務は

ビジネス界隈でしばしば耳にする言葉、社労士のセンセイ。

会社にちょくちょく出入りしているのを見たことがある人も多いかもしれません。

経営者目線からしても、健全な会社運営、そして万一の事態に備えておくためには、社労士の協力を是非得ておきたいもの。

業務の効率化、無駄な人件費の削減のためにも知っておくべき、社労士に相談できることとや、外注できる業務をそれぞれ紹介します。

【参考】有給休暇義務化でどうなる?違反時の罰則と取得率向上の施策

 

社労士

 

社労士とは?会社経営に欠かせないパートナー

社会保険労務士(通称、社労士)とは、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。

主に、企業における

  • 採用から退職までの労働に関すること
  • 社会保険に関する諸問題や年金に関すること
  • その他職場トラブル解決

について相談ができます。

健全な会社経営をしていくためには、社労士による専門的な判断を仰いだ上で、組織体制作りをすることが求められます。

そのため、企業にとっては欠かせないパートナーの一人と言えるのです。

また、一般的な相談業務に加え、一部の社内業務を社労士に外注することも可能。

業務の効率化や無駄な人件費の削減も見込めます。

【参考】長時間労働の定義や法的な規定は?放置するとリスクや弊害も

 

社労士に相談できること

まず、社労士に相談できる主な内容について見ていきましょう。

 

1. 就業規則を作りたい、見直したい

会社設立時や、テレワークなど新たな取り組みを実施する際には、就業規則を作成したり、見直したりすることがあるでしょう。

そして、多くの場合、それを従業員に周知することが義務付けれらています。

雛形を利用すれば、手軽に自社作成をすることも可能。

しかし、ある程度の法律の知識やノウハウが必要ないと、なかなか大変なものです。

そのような時は、社労士に相談した方が良いでしょう。

例えば、単発で依頼する場合、

  • 新規作成、5万〜15万円
  • 修正で、2~3万円

が一般的な相場となります。

 

2. 新しい取り組みを導入したい

次に、事業内容によって、裁量労働制や変形時間労働制など、特殊な勤務形態を導入することがあります。

また、働き方改革に伴い、フレックスタイム制を導入するところも増えてきています。

フレックスタイム制など、新たな仕組み導入する際には、是非社労士に相談しましょう。

基本的な知識は、確かにネット上で手に入る部分もあります。

しかし、労働関係の法律や制度は、意外と厳格です。

実際に制度として導入し、適正に運用していくためには法的な知識やルールの厳守が欠かせません。

違法状態にならないためにも、是非意見を求めておきたいところです。

 

3. 助成金を申請したい

そして、民間企業の場合、条件が整えば、助成金を申請することができます。

  • 運転資金の拡充のため
  • 社員のキャリアアップのため
  • 快適な職場環境を整えるため

など、様々な用途の助成金を利用できます。

しかし、助成金を得るためには、大量の書類を揃えなければなりません。

そして、それぞれを、期限内に提出しなければならないのです。

社労士に相談すれば、必要書類の準備から審査に通りやすくなるためのポイントなどを教えてもらえることがあります。

全面的にバックアップしてもらえば、スムーズに申請、受給ができるでしょう。

無事助成金を受給できた場合、成功報酬を支払うのが一般的。

規模によりますが、

  • 助成金額の20%〜30%
  • 顧問契約をしている場合には5%〜10%

であるケースが多いでしょう。

 

4. 社会保険を整備したい

  • 新たに社会保険に加入させる必要のある社員がいる
  • 社会保険事務所から指導が入った

といった場合でも、まずは社労士に相談してみましょう。

社会保険の整備が曖昧なまま、ずっとその状態を放置してしまうと後から大きな問題に発展することもあります。

出来れば、創業直後にしっかりと整備しておきたいものです。

 

5. 高齢者を雇いたい、定年制を見直したい

また、近年、

  • シニア世代の人材を積極的に雇用したい
  • 定年制を見直したい

といった企業が増えてきています。

そのような時にも是非社労士に相談しておくべきです。

賃金設計や就業時間の管理など、適正に実施していくための指導を受けられるでしょう。

【参考】降格人事とは?安易な降格は違法?合法的に行うには

 

社労士に外注できる業務

相談業務だけではなく、外注の形で社労士に一部の業務を委託することも可能です。

 

1. 社員の雇用保険、年金等の変更手続き

まず、社員の入退社に伴う、社会保険関係の業務を、一括して社労士に外注できます。

  • 健康保険や厚生年金の新規取得、喪失、変更手続き
  • 雇用保険の加入手続き

このようなものがあります。

主には、年金事務所や、ハローワークを相手とした業務です。

 

2. 労災の届出申請

次に、労災保険への加入をはじめ、

  • 仕事中に社員がケガをした
  • 通勤中に事故に巻き込まれた

など、いわゆる「労災」への対応をお願いできます。

その認定に必要な労働基準監督署への申請手続きを社労士に代行してもらえるのです。

 

3. 会社の移転等に伴う労働、社会保険上の手続き

更に、事業が拡大・縮小していくと、オフィスの移転や、支店、拠点の増減が起こります。

そのような際、会社が加入している労働保険や社会保険の変更手続きが必要となることがあります。

複雑になることも少なくないため、多くの場合、社労士に代行してもらいます。

 

4. 社員の給与計算、勤怠管理

最後は、本来、経理の仕事である社員の給与計算や勤怠管理。

この分野に詳しい専属の経理がいる場合はよいですが、この領域は意外と広範で複雑。

手間がかかり、小規模な企業にとってはなかなか悩ましい領域です。

もし間違えると、従業員との信頼関係にも関わってくるので、細心の注意が必要。

また、労働関連の法律や制度に違反してしまうようなことにもなるかもしれません。

このような業務を、社労士に依頼することも可能です。

無理して社内でやろうとするより、案外安く済んだりもします。

【参考】ピーターの法則とは?社員の無能化のメカニズムと対策

 

社労士を上手に使おう

社労士に相談したり、業務を外注したりする方法は、

  • 案件ごとに単発で依頼するケース
  • 会社の顧問として雇うケース

のいずれかになります。

仮に、顧問として雇う場合、探せば月1万円程から受けてくれるところもあります。

経営者として健全な会社運営をしていくためにも、良きパートナーとして、積極的に社労士の協力を仰ぎましょう。

【参考】ハラスメントの事例集!知らないとヤバいリスク8選

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