誰も予想だにしなかった、新型コロナウイルスの影響。
この動きは、もちろん不動産の動向にも少なからぬ影響を与えています。
「不動産投資を考えているが、今後の動きが気になる!」という方も多いはず。
この記事ではコロナ流行後の不動産市場について、昨今の状況を見ていきます。
いまが住宅の買い時か売り時かを考える上でも役立つ情報です。
新型コロナで生活様式が変わりつつある
テレワークの定着
新型コロナで生活様式が大きく変わりつつある昨今、不動産市場は、今後どうなっていくのでしょうか。
ワクチン接種が進めば一定の揺り戻しはあると思われますが、テレワークの試みによりその良さを知った企業も多く、今後テレワークは一定程度定着していくと考えられます。
テイクアウトやデリバリーも
また、コロナをきっかけに、テイクアウトやデリバリーなどを気軽に利用するようになりました。
筆者もそのひとりです。
お店に並ばずに家で好きなことをしながらデリバリーを待てるという点が、時間を有効に使えるという意味で特に気に入っています。
同じようにテイクアウトやデリバリーサービスの利便性を知った人も多く、「コロナ前」に比べればテイクアウトやデリバリーも一定数の人々に利用が定着すると思われます。
コロナをきっかけに様々なライフスタイルが見直されるいま、不動産にはどのような変化があるのでしょうか。
「都心に大規模オフィス」の時代ではなくなる?
業種業態にもよってテレワークの利便性は異なりますが、コロナを機に都市部の一等地にオフィスを構える必要はないと思った会社も当然あるはず。
毎日新聞が行った調査では、国内の主要企業126社のうち、テレワーク実施企業の約9割がコロナ収束後も継続したいと回答したそうです。
実際、大企業も様々な取り組みを進めています。
たとえば、富士通は国内の全従業員およそ8万人を原則テレワークにすると発表しました。
さらに週休3日や4日などの柔軟な働き方を導入する企業や、コワーキングスペースを運営する企業も増えてきています。
WeWorkのような付加価値の高いスペースを割高で提供するサービスもありますが、月1万円台で使えるような安価で便利なスペースも出てきています。
その一方、都内のオフィスビルでは空きが目立ち始めているようです。
最近では、東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスの平均空室率が11ヵ月連続上昇したというニュースもありました。
テレワークを意識した郊外型にシフトか
また、企業だけではなく、働く人々の考えにも変化がありそうです。
テレワークや在宅ワークが普及することで、「住むのは郊外で良いのでは」と思う人が増える可能性も指摘されています。
自宅の快適さや子育てしやすい環境を求め、テレワークを前提に地方への移住を検討するケースも。
緊急事態宣言発令後の2020年5月には、都で初めて転入よりも転出が多い状態になったと報じられました。
中でも多い転出先は、埼玉、千葉、神奈川など関東近郊だと言われています。
短期的には動かないにしても、テレワークの普及が進むにつれ、郊外に移動しようという流れはジワリと進むのではないかと考えられます。
さらに、住居そのものにも変化が起こりつつあります。
テレワークの普及に伴い、集中して仕事ができる空間へのニーズが高まっているからです。
WEB会議のためには音にも配慮が必要。
また、プリンターなどの環境が整った空間も求められています。
このような状況から、自宅内にテレワーク用のスペースがあったり、建物内にコワーキングスペースが設けられていたりする新築マンションが登場しています。
店舗はオフィスや住居の変化に引っ張られる
コロナの影響でインバウンドがなくなっていることは店舗にとって大きな変化です。
しかしそれだけではなく、上記のようにオフィスが減り、通勤も必要なくなった場合、自ずと店舗への人の入りも減ると考えられます。
実際、2021年にかけて多くの店舗が閉店しています。
店舗物件の家賃も、今後下がるのではないかと言われています。
オフィス街での集客が見込めなくなれば、今後「好立地」の定義自体が変わる可能性も。
現に、23区や山手線内といった人気の地区よりも、賃料をおさえるために郊外を好む事業者も増えているといいます。
慌てずにしっかり見極めよう
今後の動きをしっかりと見極める必要があります。
投資するにせよ、貸し借りするにせよ、コロナが一つの転換点になることは間違いなさそうです。
不動産の取引価格については、金融緩和と低金利が続くとみられることから、まだまだ資金が流入し、高値が続くのではないかとも言われています。
大きな判断をする前に、慎重に状況を見極めた方が良さそうです。