自分の今の給料に対して、ただ不満を言っているだけでは何も変えることはできません。
もちろん、昇進や昇給がルール化されている会社もあります。
そのような会社であれば、ルールに沿って自分をアピールしていけば良いかもしれません。
しかし、全ての会社にそのようなルールが整備されているとは限らないもの。
本当に昇給したいのであればその旨を会社に伝え、交渉する必要があります。
しかし、昇給交渉には、お作法というか、やり方があります。
もちろん、絶対に取ってはいけないNGな言動もあります。
ここでは、昇給を目指す人が、昇給交渉に入る前に抑えておくべき基本動作とNG言動について解説します。
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昇給交渉に挑む
- 「給料がなかなか上がらない」
- 「自分はもっともらっても良いはずだ」
このような不満は、サラリーマンなら多くの人が少なからず感じていることでしょう。
昇給するため、会社が給料を上げてくれるのをただ待つという選択肢もあります。
しかし、確実にそのチャンスを掴むためには自ら交渉することが求められるケースも当然あります。
しかし、交渉の際に間違った対応をとってしまうのには要注意。
交渉が失敗するだけではありません。
印象が悪くなったり、そのまま会社に居づらくなったりすることもあります。
昇給交渉を成功させるためにも、まずは合理的な昇給の根拠を集めることから始めましょう。
そして、タイミングや交渉相手もしっかり見極める必要があります。
昇給に不可欠な合理的な根拠、交渉材料とは?
当然のことですが、「ただ給料を上げてほしい」という単なる願望だけでは交渉に応じてもらうことは不可能です。
それなりの根拠や交渉材料が必須となるでしょう。
その例としてまず挙げられるのが、自身の実績や会社への貢献度です。
具体的な数値や証拠と共に提示できれば、会社にも納得してもらいやすくなります。
また、自分が今いる業種、業界の相場を調べることも重要です。
今の給料が妥当な額なのか、それとも少ないのかを知ることができます。
これらの準備ができた段階で、実際に昇給交渉に臨みましょう。
こんな社員は絶対に昇給できない 交渉時のNGな言動
いくら準備が整っていたとしても、交渉の仕方次第では昇給は実現しません。
それどころか、会社に悪い印象を与えてしまいます。
次のような言動は、絶対に取ってはいけません。
1、感情的になる、不満をぶつける
昇給交渉は一方が感情的になった途端、必ず決裂します。
十分な根拠があっても、なかなか応じてもらえないと、誰でも憤りを感じるもの。
それを感情に出したり、直接不満をぶつけたりするとその時点で交渉は決裂します。
2、最後通告を突きつけたり、脅迫的な態度を取ったりする
- 「給料を上げてもらえないなら、会社を辞める」等と最後通告を突きつける
- 「労働基準監督署に相談する」と脅迫的な態度を取る
といったこともNGです。
その理由としては、相手に与える印象が悪くなることが挙げられます。
また、本当にその覚悟が無いのに軽々しく「会社を辞めます」と言ってしまうと、そのまま見限られてしまうリスクがあるためです。
この手段を取るなら、次の行き先を確保した上で交渉するのが必須です。
3、短期間に何度も交渉する
1度目の交渉が失敗してしまった場合に再度チャレンジすることも可能です。
しかし、ある程度の間隔を空ける必要があります。
1週間や1ヶ月など短期間に交渉を何度も繰り返しても結果が変わることはないでしょう。
4、交渉すべき相手を選んでいない
交渉相手は、まずは直属の上司となるでしょう。
もしくは、会社によっては人事担当者など他の人間が裁量を持っている場合もあります。
直属の上司が交渉相手でも、社長でもなければ、一存では決められないことがほとんど。
結果が出るまで、ある程度の時間を要することもあるでしょう。
交渉相手を勝手に決めつけたり、結果を急かしたりするような対応は非生産的です。
やってはいけません。
また、直属の上司を飛び越えて、その上司と交渉したりするのもNGです。
5、タイミングを見誤る
昇給交渉ができる人は、基本的に一定の勤続年数がある人に限られます。
そのため、新卒など入社して間もない人が交渉しようとしても、そもそも取り合ってもらえません。
そのため、昇給交渉に臨むタイミングを見誤らないようにすることも大切です。
昇給交渉に失敗したら
十分な根拠や交渉材料があるにもかかわらず、昇給が実現しないこともあるでしょう。
それでも、すぐに諦めるのではなく、時期を改めて再度チャレンジしてみましょう。
しかし、何度チャレンジしても一向に昇給が見込めない場合はどうすべきか。
- そのまま会社に残って交渉を続ける
- より給料が高い会社に転職する
どちらが現実的か、コスパが良いかを判断し、適切な対応を取ることも大切です。
昇給交渉を成功させてキャリアアップを
昇給を申し出る側に不備がなくても、会社が経営不振に陥っていることもあります。
そのような場合、そもそも応じてもらえないでしょう。
昇給交渉においては、そういった点も考慮した上で、適切な対応を取る必要があります。
交渉の場は、決して日頃の不満や鬱憤を上司にぶつける場ではありません。
感情的になった途端に交渉は失敗するもの、と覚えておきましょう。