「ブラック企業から退職できない」
「会社に辞めたいと言ってもダメだと言われる」
「脅されて辞められない」
「退職届を受け取ってもらえない」
ネットやSNSを見ていると、そういう声を目にすることがあります。
しかし、実際はそんなことありません。
ただ、ブラック企業に勤めていると、正常な判断が困難になることがあるのです。
ブラック企業の経営者は、巧みに従業員をコントロールしようとしてきます。
ここでは、ブラック企業から退職できない等のトラブルやその対処法、スムーズに辞めるためのポイントについて解説します。
【参考】みなし残業=ブラック?導入している企業に応募の際の注意点
ブラック企業から退職できない?
ブラック企業、とは言っても、色々なタイプがあります。
「辞めます」と言って「はい、どうぞ」で済まないことも少なくありません。
何かと理由をつけられて退職を認めてもらえなかったり、嫌がらせをされたりします。
会社員なら、たとえ引き止められようとも、会社との関係をキッパリ解消するための心構えを知っておく必要があります。
よく起きるトラブルと対処法
それでは、ブラック企業から退職する際によく起きるトラブルの例とその対処法について紹介しましょう。
1. 退職を認めてもらえない、曖昧にされる
まず、辞意を伝えたにもかかわらず、認めてもらえなかったり、「検討します」と言って曖昧にされてしまうケース。
これは、ブラック企業ではよくあるパターンでしょう。
そのような時は、辞意を口頭で伝えるよりも、
- 辞表(退職届)
- メール
- 内容証明郵便
- その他書面
など、証拠として残る形で辞意を表明するのがオススメです。
- 自分の名前
- 退職理由
- 退職日
- 届出年月日
この4点は忘れずに記載しましょう。
退職理由は「一身上の都合により」で大丈夫です。
2. 退職すると分かった途端、嫌がらせが始まる
たとえ退職届が受理されても、安心できるとは限りません。
辞めると分かった途端、あからさまに無理難題を押し付けられたり、嫌がらせされたりすることがあります。
もちろん、このようなことは法的に許されません。
悪質な場合には労働基準監督署や労働局に通報する方が良いでしょう。
この問題は、退職事由や失業手当の受給にも関わる重要なこと。
何より、嫌がらせの証拠をしっかりと残すようにしましょう。
嫌がらせの内容、日時、相手についてメモしたり、録音したりしましょう。
どうしても我慢できない場合には、退職日を待たずに、退職代行サービス等を利用して即日で辞めるのも身を守るために重要な判断です。
3. 損害賠償を請求すると脅される
「辞めると言うなら訴えるぞ」と法的措置を匂わせてきたりするのも常套手段。
場合によっては「多額の損害賠償を請求するぞ」と脅してきたりするケースもあります。
自分に思い当たる節がない場合には基本的に無視するのが一番。
従業員への損害賠償が請求が認められるケースは、世間を見渡してもほぼありません。
どうしても不安な場合には労働局に相談しましょう。
4. 離職票を発行してもらえない
雇用保険に加入している場合、新しい就職先が見つかるまで失業手当等を受け取れることがあります。
しかし、そのための手続きには、必ず離職票が必要になります。
健全な会社なら、すぐ発行してもらえるはずのものです。
しかし、ブラック企業の場合、嫌がらせのためにわざと発行しなかったり、忘れたふりをしたりすることもあります。
自ら会社に問い合わせてもまともに取り合ってくれなかったりします。
そのような時は、ハローワークに依頼すれば、代わりに問い合わせてくれます。
スムーズに辞めるためのポイント
よりスムーズに辞めるために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
1. 備品の返却、私物の撤去を済ませておく
退職日を迎える前に、会社の備品の返却や私物の撤去は済ませておきましょう。
制服や社員証、会社から支給されたパソコンやスマホを持ったままにしておくのはNG。
また、私物を置いたまま辞めると、後で撤去費用や弁償を求められることがあります。
2. 引き継ぎは極力協力する
精神的な余裕があれば、引き継ぎに関してはなるべく協力するようにしましょう。
会社に迷惑がかかると言うよりは、引き継ぐ社員に迷惑がかかってしまうためです。
- 嫌がらせに耐えられない
- もう上司の顔を見たくない
という場合には無理して応じる必要はありません。
3. 有休消化→そのまま退職もアリ
退職までに有給休暇が残っていれば、しっかり消化してから辞めましょう。
そうしないと、損することになってしまいます。
有休を消化し、そのまま退職するのも問題はありません。
というよりも、むしろ世の中的には「それが普通」と言えるかもしれません。
退職届や有休の申請書類にその旨を記載し提出しましょう。
【参考】実はブラック?転職サイトの求人の危険フレーズ3つと回避策
ブラック企業から退職できない事態を避ける
会社の就業規則には、退職の申し出の期間について定められていることがあります。
たまに、「3カ月前」「6カ月前」といった期間が書かれていることもあります。
しかし、退職の自由は民法によって定められています。
辞めようと思えば、いつでも辞められるのです。
しかし、ブラック企業の場合、執拗に嫌がらせをして心理的プレッシャーを掛けてくることもあります。
メンタルをやられる前に然るべき対応を取り、自分の身とキャリアを守りましょう。