就職や転職には正解はありません。
一般的によい就職、転職というものがあるかもしれませんが、それはその人の感じ方次第で、正解にも不正解にもなります。
新卒で就職をして、同じ会社に定年まで勤めるということが少なくなってきた現代。
現在の職場で、上司に叱責されているような日々を送っていると、今すぐにでもそこから逃げ出したい、転職したいと考えるようになってしまいます。
そんな時に、転職情報サイトを見たり、転職支援のキャリアコンサルタントから様々な求人票を渡されたりすると、つい心が揺らいでしまいます。
そんな人にとって、求人票の言葉には魔力があるように思えるかもしれません。
それは現在の仕事が過酷であれば顕著ですが、求人票の言葉に吸い寄せられるように転職してしまうのは要注意です。
【参考】ハローワークはどう?縁故最強?紹介会社は?転職方法を比較
ネガティブな情報をポジティブに言い換えただけ?
現在の自分の状況がみじめであればあるほど、新しい職場に行けば輝く未来が待っているような、そんな求人ばかりに思えてきます。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
転職したいと考えているのであれば、冷静な視点を持つことも重要。
ここでは、一見魅力的に見える「危険なフレーズ3つ」を取り上げて、その裏側を読み取るコツをお伝えします。
【参考】インセンティブ制度の大枠を基本の「き」からざっくり把握!
気を付けるべきフレーズ3選
安易に飛びつく前に立ち止まって考えてみれば、ブラックの兆候と思えるものはいくつかあります。
①アットホームな職場
求人票でよく見る言葉で「アットホームな職場」というものがあります。
しかしよく考えてみてください。
職場は家ではありませんし、同僚も家族ではありません。
家業のように仕事をしだすと、際限なく仕事をしてしまうもの。
その内、深夜までの飲み会に付き合わされるようになったり、サービス残業も付き合いでするようになったりするのかもしれません。
もしくは、タメ口を含む、乱暴な言葉遣いが横行しているかもしれません。
「アットホーム」という言葉を出してきているのは、その真意を慎重に見極めるべき言葉の一つです。
②未経験者歓迎
どの会社だって、中途採用なら経験者の方が良さそうな気がしますが、あえて未経験者を歓迎する理由は何でしょうか。
もちろん、未経験者の挑戦を歓迎することは悪いことではありません。
しかし、バイトや新卒ならまだしも、転職で「未経験者歓迎」というと少し危険な香りがします。
潰しの利かないニッチな業務(そもそも世の中に経験者がほとんどいない)ということもあるかもしれませんが、経験者からは見向きもされないような悪い待遇(給料が安い)なのかもしれませんし、
経験者でも未経験者でもパフォーマンスに大差がない、言い換えれば、誰でもすぐできるようになる、裏を返すと、あまり市場価値のないスキルしか身に付かない業務である可能性もあります。
「人がどんどん辞めていくので、未経験でも誰でもいいからとにかく来てもらいたい」だったら、悲劇的な結末を迎える可能性が高いでしょう。
そのような場合は、避けるか、もしくは次に向けてのステップ(経験を積む)として割り切る必要があるかもしれません。
③次期マネージャー候補
要は「平社員」ということです。
採用前に、いつかマネージャーへ昇格できるということが確約されているわけではありません。
次期マネージャー候補、という意味で言えば、平社員はほぼ全員がそうだとも言えるのではないでしょうか。
組織において、上のポジションがどれだけ空いているのか、業務が急拡大しているのか、を確認しなければなりません。
また、どのような仕事内容のマネージャーなのかは採用前の段階では不明確なことがほとんどです。
【参考】みなし残業=ブラック?導入している企業に応募の際の注意点
何を拠り所にすればよいのか
求人票の魅力的な言葉にどのような罠が潜んでいるかがお分かりいただけたでしょうか?
諸々の言葉に共通することは、
- 曖昧
- ハードルが低そう
- 期待させる
ということでしょうか。
では、一体何をみれば良いのか、ここでは大きく2点取り上げたいと思います。
①具体的な数字
迷ったら「数字を信じてみる」ということをオススメします。
具体的には、
- 売上高は伸びているか
- 年収(給与)はいくらか
- 年間休日数
これらが、客観的に評価可能な数値です。
嘘を書くなら、書く側も相応のリスクを負うことになりますので、一定の信憑性は担保されていると言えるでしょう。
売上高が伸びていれば、普通は積極的に開示するもの。
そして売上が伸びていれば、組織も拡大して、昇進の機会も増えるはずです。
また、年収(給与)は、内定通知書に記載するのが一般的。
普通は、内定通知書には年収や給与についての記載があるものです。
そして、年間休日数も、調べるなり、聞くなりすれば客観的な数字として分かるはずです。
何か隠しているようであれば、怪しいと思った方が無難です。
②具体的な制度
具体的に制度として存在するという事実も、頼もしい拠り所になります。
フレックス制やリモートワーク可能といった制度は、従業員の裁量や自由を認めているという点でホワイトである可能性が高いと言えるでしょう。
職種よる適用可否があったり、就業年数によって幅があったりするかもしれませんが、いずれにしても、満員電車に乗る必要がなくなるような制度が具体的に存在するというのは、かなりポジティブな要素です。
【参考】年俸制とは?月給制との違いや導入するメリット・デメリット
アピールポイントの具体性が肝
求人情報を見るときは、その会社のアピールポイントが「どれだけ具体的か」を見るのが肝です。
「アットホーム」や「マネージャー候補」のような曖昧な言葉を並べるしかないのは、逆にそれくらいしかアピールポイントがないからとも言えます。
求人情報も、字数制限がある中で、自社のアピールポイントを工夫して記載するもの。
「なぜこのようなことを書いているのか」ということにまで想像を働かせてみると、危ないフレーズが見抜けるようになるかもしれませんね。