自分をアピールしたり、積極的に行動することは現代の社会人に求められることの一つ。
ビジネスシーンではもちろん、それ以外の場面でも必要なスキルです。
しかし、言動に結果が伴わないと痛い目に逢うことになるかもしれません。
「あの人は口だけ」そう言われることは、避けたいものですよね。
今回は、誰もが気をつけるべきダニングクルーガー効果の意味を踏まえた上で、そのリスクや対処法を解説していきます。
ダニングクルーガー効果とは?
ダニングクルーガー効果とは、能力が低い人ほど、「自分は優れている」と思い込んでしまい、実際の実力を見誤り、自分を過大評価してしまう心理現象、認知バイアスの一つです。
これは、1990年にアメリカの心理学者、デヴィット・ダニング氏とジャスティン・クルーガー氏によって提唱された理論。
「優劣の錯覚」とも呼ばれます。
特に採用面接や、入社後、他の社員と働く際には気を付ける必要があります。
あまりに自分を過大評価してしまうと、
悪い印象を持たれたり、仕事を任されなくなってしまったりすることも。
ビジネスパーソンなら、ダニングクルーガー効果に陥らないよう注意するのが賢明です。
ダニングクルーガー効果に陥る原因
これは、もともとプラス思考の人、自分に自信のある人によく起こる言われています。
しかし、ちょっとした習慣によって、誰でも陥ってしまう可能性があります。
たとえば、
- 普段から周囲の人の意見に全く耳を向けようとしない
- 意思決定においては、とにかく自分の意見を最優先する
- 何か問題が起きた際、すぐに誰かに責任転嫁する
といったことがあると、正しい自己評価が困難となります。
そうすると、ダニングクルーガー効果に陥ってしまうのです。
ダニングクルーガー効果による弊害
日常のシーンであれば、
- 「ただ自意識過剰な人」
- 「自惚れている人」
というレッテルを貼られるだけかもしれません。
しかし、それがビジネスシーンの場合、より厄介な事態に陥るリスクがあります。
上司や同僚から嫌われる、厄介者扱いされる
上司や同僚から煙たがられると、扱いにくい人、面倒くさい人、と思われてしまいます。
そうすると、重要な仕事を任されなくなったり、相手にされなくなったりします。
会社での居心地も悪くなってしまうでしょう。
採用面接の時など、相手が自分のことをまだ知らない状態だとしても、あることないこと言って自分を盛ってしまうと、入社後にバレてしまいます。
すると、ただの厄介者として扱われてしまうリスクもあります。
トラブルに気づけない、周囲を巻き込んでしまう
自己分析がしっかりできないと、トラブルに気付けないことがあります。
そうすると、自分や自分の部下が苦境に立たされている際に、状況を見誤るリスクも。
自分だけが当事者になるならまだ問題ないかもしれません。
個人の問題であれば、被害額も小さくて済むでしょう。
しかし、ビジネスだと、関係者も多く、金額も大きいもの。
自分の力を過信して盛大にズッコケると、ダメージも甚大です。
人を見下す、誤った評価をする
自己評価がしっかりできてないと、他者に対する正当な判断、評価もできなくなりがち。
自己評価の高さとは、要は、他社評価の低さの裏返しでもあるのです。
そこに無頓着だと、他人を見下していると思われる発言を平気でしてしまうことも。
相手を傷つけるだけならまだマシかもしれません。
しかし、自分や自社の信頼を失わせる結果になると、取り返しがつかなくなります。
ダニングクルーガー効果に陥らないための対処法
それでは、ダニングクルーガー効果に陥らないための対処法について見ていきましょう。
常に客観的な視点を持つ
何よりも大切なことは、常に客観的な視点を持つことです。
判断基準が「自分」だけだと、何事も過信してしまいがちになります。
しかし、何か行動する際、決断する際に、
「周囲の人はどう思うだろうか」
「あの人ならどのような行動を取るのだろうか」
と、自分の考えについて他者の視点を導入しましょう。
口で言うのは簡単でも、案外難しいかもしれません。
しかし、意識し続ける価値はあるものです。
他者と交流を深め、意見に耳を傾ける
自信がある人、プライドが高い人は、周囲に目もくれず、独断で突っ走ってしまうことがあります。
しかし、その場合、本当に周囲が求めていることとの間にギャップが生じることも。
思い違いで突っ走ってしまうと、信頼を失ってしまうこともあります。
日頃から同僚など周囲の人とのコミュニケーションを取るようにしましょう。
そして、周囲の意見に素直に耳を傾け、それを行動に反映することが大切です。
周囲からのフィードバックを求める
何かの行動を起こした際、
- それが本当に正しい行動だったのか?
- 求められていた行動だったのか?
を見極めるためには周囲からのフィードバックが欠かせません。
一回の行動で十分な評価が得られなかったとしても、気にし過ぎる必要はありません。
次に行動する際にしっかりとフィードバックを反映することで、周囲からの高い評価と信頼を得やすくなるでしょう。
【参考】顔採用はある?差別的or合理的?就活生が知るべき真実
ダニングクルーガー効果に陥らないようにしよう
自分の発言や行動には、しっかりと結果が伴うことは大事。
そうすれば、どんな場面でも高い評価を得られます。
しかし、ダニングクルーガー効果に陥っている人のほとんどは、能力が低いため結局口だけの人で終わってしまいます。
周囲からも呆れられてしまうでしょう。
時には、大きなチャレンジをしたり、無謀と思われる仕事に取り組むことが求められるシーンもあります。
しかし、なんの根拠もないのに、
- 「できます!」
- 「私がやります!」
と言って無理な仕事を引き受けたり、採用面接の際に話を盛って自分をより良く見せたりするのは問題です。
しっかりと自分を見極めたうえで、行動するようにしましょう。