PEST分析のフレームワークをUberEatsを事例に解説!

2020年代に突入し、新型コロナによる社会の激変もあり、世界はかつてないほど急激に変化しています。

そのような環境下において、世の中の動きを正しく分析して、事業のチャンスを見出したり、リスクを回避したりすることは、ビジネスパーソンにとって非常に重要と言えます。

ここでは、社会のニーズにマッチした事業計画、経営戦略づくりに欠かせないPEST分析について、その概要や実践の手順、実例について詳しく解説していきます。

【参考】フレームワーク9選!事業計画やマーケティング戦略で大活躍

PEST分析

 

PEST分析とは?

PEST分析とは、常に変化し続ける自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、経営戦略や事業計画にこれからどのような影響を与えるのかを把握、予測するためのフレームワークです。

アメリカの経営学者であり、マーケティングの第一人者とも呼ばれるフィリップ・コトラー氏によって提唱されました。

 

PEST分析のフレームワーク

PESTとは、

  • Politics(政治)
  • Economy(経済)
  • Society(社会)
  • Technology(技術)

という4つの外部環境を指します。

Politict(政治)には、法律や条例、法改正、条例など、

Economy(経済)にはインフレやデフレ、物価や為替の変動、

Society(社会)には自然災害や流行、少子高齢化など、

Technology(技術)にはキャッシュレス化やIT、AIなどの要素がそれぞれのフレームワークに含まれます。

 

PEST分析の重要性

雇用や商品開発、宣伝など、企業の内部的事業に莫大な時間とコストを掛けたとしても、それらがニーズなど外部環境に相応しいものでなければ、全てが水の泡になりかねません。

逆に、外部環境をしっかりと見極めてそれに適した事業を展開していけば、大きな成果を上げることができるのです。

その外部環境を見極め、適切な事業計画の立案や新規事業の開拓、また、不利な状況からの撤退するために、そして、他社の成功要因を見極めたりする上でも、PEST分析は必要不可欠と言えます。

【参考】4C分析のフレームワークをスターバックスを事例に解説!

 

PEST分析の実践手順

PEST分析を実施する際にはただ単に4つの枠組みを埋めれば良いわけではありません。

実践の詳しい手順について見ていきましょう。

 

目的の明確化

フレームワークを利用し4つの項目を埋める前に、まずPEST分析を実行する目的を明確化し社内で共有しましょう。

業種や事業の段階によって異なるケースもありますが、共通するPEST分析の目的は事業の変化を知ることでビジネスチャンスを見出すこと、そしてリスクを回避すること、この2つとなります。

実際の分析に移る前に、PEST分析は自社を取り巻くマクロ環境を把握し事業のチャンスとリスクを見出す、という目的を再確認しておきましょう。

 

分析に必要な情報収集

目的の明確化ができたら、実際にフレームワークを用いてそれぞれ4つの項目の情報収集を進めていきます。

実行する際には「マクロ環境の変化」とそれに伴う「事業のチャンスとリスク」に分割してそれぞれ情報を集めます。

現在、社会で何が起こっているのか、どんな問題があるのか、メディア等を活用しながら調査し、それに伴って自社の事業にどんな影響があるのかを分析しながらフレームワークを埋めていきます。

【参考】STP分析とは?マーケティングでの頭を整理&一貫性を担保

 

PEST分析の注意点

PEST分析を進めるにあたり、2点ほど注意事項があります。

まず、PEST分析はあくまでも比較的規模の大きな外部環境を分析するものであり、自社の内部環境を分析、効率化するものではありません

というのも商品やサービスの分析や営業力、生産力の分析など、内部環境の分析にはPEST分析とは異なる別のフレームワークを用いる必要があるからです。

そして、PEST分析は長中期的かつ断続的に行う必要がある、ということにも留意しておきましょう。

そもそもマクロ環境を1週間から1ヶ月程度の短期間で正確に分析することは難しく、また、マクロ環境は常に変化し続けます

また、自然災害のように突発的に来るものからオリンピックなど定期的に来るものまで対応することになるため、分析には年単位の時間を要する場合もあります。

 

ケーススタディ:UberEats

実践の手順や注意点を理解できたところで、コロナ禍におけるデリバリーサービス大手「UberEats」を例に挙げPEST分析の実例を見ていきましょう。

なぜ、UberEatsが急速に普及したのか、PEST分析を使うことで、その背景が鮮やかに浮かび上がります。

UberEatsをPESTで

P:国による緊急事態宣言及び外出自粛要請の発令

国の緊急事態宣言発令により人々は外出自粛をするようになりました。

飲食店の営業にも、制約が増えました。

そしてそのことによって、多くの飲食店がデリバリー事業に参入せざるを得なくなった、という状況がありました。

これによって、UberEatsを使おうとする飲食店が増えた、という事情がありました。

 

E:経済悪化と失業者の増加に伴う配達員の供給増

コロナによって経済が悪化し、失業者が増えました。

また、学生も、多くがアルバイト先の営業停止に直面し、収入源を失いました。

このことが、配達員の供給増に繋がり、UberEatsの加速に大きく貢献したとも言われています。

 

S:巣ごもり需要増に伴うデリバリー需要の増加

多くの人が外出を自粛するようになり、巣ごもり消費への需要が増えました。

これによって、自宅にいながら飲食店の料理が食べられるデリバリーサービスの利用者が増えた、ということがありました。

 

T:注文から決済までアプリやサイト上で完結する技術の普及

スマートフォンやアプリが普及し、多くの人がUberEetsのアプリやサイトを使って料理の注文から配達依頼、決済がスムーズにできるようになっていた、ということもありました。

【参考】4P分析とは?楽天モバイルを事例にフレームワークを解説!

 

まとめ

PEST分析は、世の中の動きを正しく分析して、事業のチャンスを見出したり、リスクを回避したりする上でも、そして社会のニーズにマッチした事業計画、経営戦略づくりをする上でも、非常に役に立つフレームワークの一つです。

実践の手順や注意点をしっかりと踏まえ、事業運営に活用していきましょう。

【参考】VRIO分析とは?「当社の強みは?」に答えるフレームワーク

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