インサイドセールスとは?対面型の営業との違いを基本から

最近よく耳にするようになった「インサイドセールス」という言葉。

「また、若手に避けられがちな”営業”を、単に格好よく言い換えただけなんじゃないの?」

と思っている方も少なくないかもしれません。

しかし、そうではなく、インサイドセールスは、効率的な営業手法確立を試みる企業にとって非常に注目されている施策なのです。

ここでは、インサイドセールスとは何なのか、その概要や従来の営業との違いを踏まえ、導入のメリットやデメリットについて解説します。

インサイドセールスと営業の違い

 

インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、マーケティング、営業関連の業務の一環で、あらかじめ、商談化や案件化が大いに期待できる潜在ユーザーを絞り込んで、効率良くアプローチを試みる手法を指します。

担当者が直接顧客の元へ足を運ぶフィールドセールス、いわゆる通常の営業とは異なり、基本的に電話やメール、またホワイトペーパーの発行など、オンライン上、非対面で行うのが主な特徴です。

顧客の獲得はもちろんのこと、休眠顧客の掘り起こしや、検討中だった顧客へのリマインド、長期契約や顧客の維持などが主な目的となります。

 

インサイドセールスはテレアポなのか

インサイドセールスのことを、テレアポであると認識している人も多いようです。

しかし、実際のところ、テレアポは、インサイドセールスの業務の一部に過ぎません

 

インサイドセールスとテレアポや従来の営業との違い

それでは、「実施目的」「時間軸」「取り組み方」という3つの観点から、テレアポをはじめとする従来の営業スタイルとインサイドセールスとの違いについて考えていきましょう。

 

実施目的:インサイドセールスは「質」も重視

まず実施目的に関していうと、テレアポの場合は顧客に電話をかけ、商談のアポイント(約束)を取ることがゴールとなります。

アポイントの獲得数が、テレアポスタッフの成果として反映されます。

一方、インサイドセールスは、アポイントを取って終わりではありません。

成約の確度を高めるため、顧客の育成(リードナーチャリング)を行うこと、そして成約獲得後も顧客、顧客満足度の維持に努めることが目的となります。

テレアポが顧客の「量」を重要視するのに対し、インサイドセールスは顧客の「質」も大切にします。

 

時間軸:長期的な関係づくりをする

実施目的から見て取れるように、テレアポは、中長期的な関係構築を目的としているわけではありません。

その時、その時で、契約にまで辿り着けるか、を重視します。

一方で、インサイドセールスは、顧客の育成、維持を必要とすることから、定期的、長期的な関係づくりをすることになります。

 

取り組み方:役割分担を明確にする

取り組み方について言うと、テレアポの場合、アポイント獲得から商談までの業務は、多くの場合、特定の営業パーソンが1人で担当します。

一方、インサイドセールスを行う場合、1人の顧客に対し、最初にアプローチをする担当から、関係を維持するインサイドセールス担当、クロージング(契約締結)を担当するフィールドセールス担当に至るまで、契約締結に至るプロセスを細分化し、役割分担をしながら向き合います

 

インサイドセールス実施のメリット

それでは、インサイドセールスに取り組む主なメリットについて見ていきましょう。

 

①効率的に多くの顧客へアプローチできる

まず、従来の営業方法よりも1日により多くの顧客にアプローチをかけられる、という点が最大のメリットと言えるでしょう。

インサイドセールスの場合、基本的に全ての業務を電話やメールで完結させるため、移動や商談にかかる無駄な時間とコストを削減できるということがあります。

また、リストを使って順番にアプローチしていけばよいので、割とルーティンに近い形で数をこなすことができるということもあります。

 

②営業担当者の属人化が防げる

顧客のデータや情報を、担当する営業パーソンのみが把握している、ということは少なくありません。

しかし、人事異動や退職があった際に引き継ぎが難しかったり、誤認が生じてしまうなど、営業活動が属人化してしまうことによる弊害は、今や多くの経営者の知るところとなっています。

しかし、インサイドセールスを導入しておけば、チームプレーが前提になり、複数の担当者や部署の人間が1人顧客と接点を持つことから、たとえ誰かが辞めたとしても、業務への影響は最小限にとどめられます。

 

③タイミングを見計らうことができる

従来の営業では、せっかくアプローチをかけても、顧客が興味を示さなければ、また、契約まで辿り着けなければ、そこで終了でした。

しかし、「もう少しタイミングが遅ければ」、また、「もう少し状況が変われば」成約していた、というようなケースも少なくないもの

今さら改めて言うまでもなく、営業には、タイミングも重要なのです。

しかし、営業担当者が1人しかいないと、成約できそうなタイミングがあったとしても、忙しさにかまけてタイミングを逃してしまったりするということがよくあります。

その点、インサイドセールスを導入していれば、顧客が買うであろうタイミングで、適切にアプローチをすることができ、タイミングを逃すことなく成約に結びつけることができるのです。

 

インサイドセールス実施のデメリット

それでは、デメリットについて見ていきましょう。

 

①対面型と比べ顧客との意思疎通が難しい

対面型の営業と比べ、顧客との意思疎通が難しいのが一番の難点です。

ZOOMなどビデオ通話を使えばある程度この難点は補えます。

しかし、説明する内容が複雑になればなるほど、対面営業に比べて難易度は上がってしまうのは止むをえません。

 

②信頼獲得が容易でない

インサイドセールスは顧客と直接対面しないことから、対面型の営業に比べると信頼獲得のハードルが上がります。

都度違った担当者が連絡をしてくると、顧客は「知らない人が営業のアプローチをしてきた」と受け取ってしまうもの。

知らない人から連絡が来ると、身構えてしまいますよね。

メールや電話等でのコミュニケーションで相手に安心感を与えようとすると、それなりのトークテクニックが必要になり、そのためのマニュアル整備やトレーニングも必要になってくるでしょう。

 

まとめ

対面型営業がまだまだ根強い日本企業においては、いきなりインサイドセールスを導入しようとしても、一筋縄にはいきません。

恐らく、現場の抵抗もあるでしょう。

取り組み方の一例としては、まずは「従来型の営業のサポート」のような位置づけから、インサイドセールスの機能を徐々に導入していくのも良いでしょう。

上手くインサイドセールスを導入して、営業力の強化に努めましょう。

【参考】インサイドセールスとは?重要性や実践の手順、コツを解説!

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