ダブルワーカーが知るべき残業代と労働時間の基礎知識

働き方の多様化が進み、副業を解禁する企業も増えてきている昨今。

複数の事業者の下で、ダブルワーカーとして働く人が増えてきています。

しかし、ダブルワーカーだと、どうしても長時間労働になりがちなもの。

「ダブルワーカーの場合、残業代はどうなるの?」と思う人もいることでしょう。

今回はダブルワーカーとして働く際に必ず知っておくべき残業代と労働時間に関する基礎知識と注意点について紹介します。

【参考】源泉徴収とは?フリーランスや副業者のために基本から丁寧に

 

ダブルワーク

 

副業にも残業代が発生する!?

一つの会社で会社員として働く場合、労働時間や残業代、管理などは基本的に会社任せ。

そのため、それらのことについて気にする必要はあまりありません。

しかし、複数の異なる使用者の下で、副業や兼業などダブルワークを始める際は要注意。

たとえば、会社Aで本業の仕事をして、会社Bで副業をする場合を考えてみましょう。

ちなみに、それぞれの職場での労働時間は、通算されることになります。

ダブルワークする、しないにかかわらず、サラリーマンは基本的に1日8時間、週40時間の法定労働時間に沿って働くことになります。

それを超えて働く場合には割増賃金、つまり残業代が発生するのです。

この労働時間と残業の基本的な仕組みをしっかり理解していないと、本来もらえる残業代がもらえなくなってしまいます。

 

ダブルワークで残業代が発生する主なパターンと請求先

以下の3つはサラリーマンが副業などダブルワークをする際に残業代が発生する主なパターンとなります。

  1. 本業先で6時間、副業先で3時間働いた場合
  2. 本業先で4時間+残業2時間、副業先で3時間働いた場合
  3. 本業先で8時間+残業1時間+副業した場合

本業先の事業者、副業先の事業者、どちらに残業代支払義務が生じるかは状況によります。

基本的に、残業代を支払うのは就労を命じ、法定労働時間を超えて働かせた事業者。

たとえば、パターンAの場合、

副業先の事業者が、

  • 従業員がすでに本業先で6時間の労働をしている事実を知っていて
  • さらに3時間の労働を課す

となると、その8時間を超えた1時間分の残業代を支払う義務が生じます。

そして、パターンBの場合、

  • 本業先の事業者が2時間分
  • 副業先が1時間分

の残業代を支払うことになります。

【参考】副業から起業へ!段階を踏んだ起業のメリット3つと注意点3つ

 

ダブルワークを始める際の注意点

ダブルワーカーが法定労働時間を超えて働く場合に残業代が発生する仕組みについての理解はそれほど難しくありません。

それよりも難しい問題は、誰に、どのようにして請求するかです。

 

副業の許可を双方の勤め先にもらっておく

会社の就業規則に、副業に関する注意事項等が記載されていないことも多いでしょう。

しかし、そのような場合でも、必ず許可をとった上で始めるようにするべきです。

なぜなら、本業先、副業先それぞれの事業者が、従業員がダブルワークしている事実を知らないと、トラブルになる可能性もあるためです。

何も知らせていない状態で、いきなり「法定労働時間超えたから残業代を払ってください」と言っても、混乱を招くだけでしょう。

むしろ、不信感を抱かれることになりかねません。

 

36協定の締結が大前提となる

本業一本で残業するにしろ、新たに仕事を見つけダブルワークを始めるにしろ、法定労働時間を超えて働く場合には、使用者との36協定の締結が必須となります。

それを締結せずに法定労働時間を超えて働いたとしても、働く側には特にペナルティはありません。

しかし、が、働かせてしまった事業者に罰金や罰則が課される可能性も。

そうなると、勤務先に迷惑をかけてしまうこともあります。

 

フリーランス業、個人事業、役員は法定労働時間の適用外

法定労働時間は、会社に雇われている「労働者」のみに適用されます。

そのため、

  • 本業+フリーランス業や個人事業で働く場合
  • 会社役員の方が社外で副業する場合

これらにおいては、労働時間が通算されることはありません。

 

残業代の請求に応じてもらえないことも

あなたが通算で何時間働いていようが、副業先からすれば、関係ないこととも言えます。

「あなたが本業で何時間働いていようが、そんなのうちには関係ない」

そう言われて、

  • 割増分の支払いを拒否される
  • 退職に追い込まれたりする

といったケースも容易に想像できます。

副業先は、相当人不足に悩んでいない限り、「同じ労働をしてくれる人に対しては、同じ対価を」と考えるものです。

あえて割高な人を雇う理由はありません。

また、社内の他の者との公平感の観点からも、一部の従業員を特別扱いするわけにもいかないでしょう。

また、そもそも、本業での労働時間を偽ろうと思えば容易にできてしまうという事情もあります。

つまり、法律では規定されていたとしても現実的に請求するのは難しいでしょう。

権利だからと言って無理に請求しようものなら、せっかく見つけた副業先との関係もこじれかねません。

 

働きすぎないよう気をつける

会社における所定労働時間以外の時間は、当人の自由。

そのため、休もうが働こうが、基本的に行動は制限されません。

しかし、しっかりと心身を休める時間を確保しないと働きすぎで体調不良に陥ってしまうこともあります。

ダブルワークを始める際には、自分の体調管理も徹底するようにしましょう。

【参考】副業者、フリーランス必見!青色申告と白色申告の違いまとめ

 

ダブルワーカーとして残業代をどう考えるか

ダブルワークする際には、使用者側にも労働時間の管理、残業代の支払いなどの手間が発生します。

そのため、迷惑がかからないようしっかり相談した上で始めるのが鉄則です。

また、ダブルワークを始めたり、残業代を請求したりすること自体にも、それなりのリスクがあります。

リスクも承知した上で検討し、進めるようにしましょう。

【参考】お金になる趣味10選!副業にお薦めのプラットフォームも紹介

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