通年採用とは?新卒一括採用との違いやメリット、デメリット

人材、働き方の多様化が進む近年。

通年採用が、日本の企業においてもスタンダードな新卒一括採用に対し注目を集めるようになってきています。

何かと批判の対象になることも多かった、新卒一括採用。

それに対しての「通年採用」とは一体どのようなものなのでしょうか。

今回は、通年採用とは何なのか、新卒一括採用との違いを踏まえた上で、そのメリット、デメリットについて解説します。

【参考】ポテンシャル採用とは?経験の浅い若手向け中途採用枠を紹介

通年採用

 

通年採用とは?

通年採用とは、採用のための特別な期間を設けずに、年間を通じ、その時期の必要性に応じて採用活動をすることです。

日本においては、特に外資系企業でよく用いられている手法。

というよりも、海外では、通年採用が一般的なのです。

世の中、皆3月に卒業して、4月から社会に出るわけではありません。

留学生や帰国子女、外国人など、学校の卒業時期が異なる学生もいます。

また、転職希望者も含めて、幅広いニーズに対応できるのです。

 

通年採用普及のきっかけ

以前まで、通年採用を行う企業はかなり限られていました。

しかし、2019年4月に経団連が新卒学生の通年採用を拡大する方針を発表したことで、徐々にその考え方が社会全体に浸透してきています。

日本では、ユニクロを運営するファーストリテイリングリクルートソフトバンク等が実際に導入しています。

 

新卒一括採用の通年採用との主な違い

新卒一括採用は、多くの人が思い浮かべるであろう、従来の一般的な採用方式です。

主に3月から7月の5ヶ月間にかけて、経団連の協定に倣い、他の企業と同じタイミングで会社説明会やセミナー、実際の選考を進めていきます。

その対象は主に日本の大学や専門学校、高校等を卒業する見込みの学生。

国内においては、まだまだ最もメジャーな採用方法と言えるでしょう。

【参考】ブラインド採用とは?多様化社会に必要な施策のメリットとは

 

通年採用のメリット・デメリット(企業側)

まず、企業が通年採用を導入するメリットについて見ていきましょう。

 

内定辞退者が出た際に柔軟な対応ができる

一つ目のメリットは、内定辞退者が出た際に人員補充の対応がしやすいことです。

一括採用の場合、採用活動終了間際に内定を辞退する者が増えることがよくあります。

そうなると、企業が当初より予定していた採用人数を下回ってしまう可能性も。

実際の会社の運営に支障を来してしまうことがあります。

しかし、通年採用は、1年を通して細く長く人材を採用する方式。

辞退者が出た際はもちろんのこと、新規プロジェクトを始める際や退職者が出た際に、人材の増員、補完など、柔軟に対応できるのです。

 

多くのニーズに対応できる

次に、求職者の多くのニーズに対応できるのも通年採用の魅力です。

一括採用のみだと、卒業時期の異なる海外の大学に通っていた者や帰国子女が、日本の企業で就職する際に、就活のタイミングを逃してしまうことはよくあります。

そうなると、長期間ブラブラと待たねばならず、ブランクが生じてしまいます。

また、近年は転職活動が活発化したり、グローバルな人材が増えたりもしています。

貴重な人材を取りこぼさないためにも、通年採用の実現は有用と言えるでしょう。

 

期限がないため十分な時間をかけて選考できる

新卒一括採用の場合、「いつまでに」というのが決まっていることが多いのが実情。

多くの場合、内定式を行う10月1日前までには決めたいところでしょう。

しかし、通年採用はそのような期限がないため、選考に十分な時間をかけられます。

そのため、

  • 応募者の能力やスキル
  • 企業との相性
  • その他選考に重要となる要素

等をじっくり検討し、見極められることができます。

そのため、採用後のミスマッチを大幅に削減できる可能性は高くなるでしょう。

 

では、デメリットについても見ていきましょう。

 

業務負担やコストが増える

じっくりと時間をかけて選考を行うことは決して悪いことではありません。

しかし、長引けば当然それ相応のコストや採用担当者の業務が増えてしまいます。

また、求人を出す際に、ある程度対象者を絞っておく必要もあります。

そうしなければ、下手をすると応募者の数が増えてしまい、選考に多くの時間を費やすことにもなりかねません。

 

滑り止め扱いされてしまうことも

また、通年採用だけに絞ってしまうと、新卒一括採用で失敗した人の滑り止めとして扱われてしまうケースもあります。

そのため、一括採用と併用したり、もしくは他社が採用活動を行っている同時期に採用活動を強化するなどの対応が求められます。

【参考】縁故採用とは?よくある業界やメリット、デメリットをご紹介

 

通年採用のメリット・デメリット(求職者側)

次に、求職者側のメリットについて見ていきましょう。

 

選択の幅が広がる

求職者にとっての最大のメリットは、選択の幅が広がることです。

選択の幅が広がれば就活だけに囚われず、学業に専念できます。

就職活動の時期を気にせず、留学など在学中に新しいことにも挑戦し易くなるでしょう。

 

就活浪人する必要がなくなる

また、新卒一括採用を行っている企業から一つも合格が出なかった時でも、通年採用があれば、「新卒」という肩書きを得るためだけに浪人・留年する必要もありません。

そのため、就活に対して、より精神的余裕を持って臨めるでしょう。

 

もちろん、求職者側にとっても、良いことばかりではありません。

 

案外採用のハードルは高い

通年採用には、新卒者だけでなく、転職希望者、外国人など多種多様な人材が集まります。

そのせいかどうかは不明ですが、採用のハードルは高いと言われる傾向にあります。

新卒一括採用は、新卒であること、そして学歴が武器となります。

しかし、通年採用では、個人の能力やスキルなど、内面的な要素が重視されるためです。

【参考】ジョブカフェとは?受けられる支援やサービス、使うメリット

 

まとめ

通年採用を実施する企業は、他の新卒一括採用をする企業と時期を合わせて採用活動を強化しないと、人材を他者に取られたり、滑り止め扱いされたりする可能性があります。

もちろん、その対策について十分に考えておくことは必要不可欠でしょう。

一方、求職者側も通年採用を利用するのであれば情報収集など主体的に行う必要があります。

そうしなければ、タイミングを逃してしまうこともあるため、注意が必要です。

【参考】トライアル雇用とは?「お試し」から始める人手不足の打開策

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