社外取締役とは?主な役割や登用するメリットを解説

あなたの会社には、「社外取締役」がいるでしょうか。

従業員から見れば、「たまにフラリと会社に来て、会議に出るだけの人」かもしれません。

しかし、経営者にとっては、「大切なアドバイザー」かもしれません。

健全かつ安定した経営をするには、社内の人間の意見だけではなく、時には社外の人間のアドバイスが必要になるケースもあるのです。

今回は、社外取締役の意味や主な役割、活動内容を踏まえた上で、登用するメリットや、その際に支払う報酬事情についても解説します。

【参考】大企業が資本金を1億円以下にする減資がブーム!その理由は

 

社外取締役

 

 

社外取締役とは?

社外取締役とは、社内から昇進した者とは異なる、取引や資本関係のない社外から迎えた取締役です。

客観的な、独立した立場から経営指導や経営状況の確認、監視などを行うのが主な目的です。

ちなみに、アメリカの企業では、とてもメジャーな制度。

上場企業は、社外取締役が、取締役のメンバーの半数以上を占めることになっています。

そして、この制度、日本でも2002年から導入されています。

2021年3月に施工された、改正会社法

これにより、上場企業と委員会設置会社には社外取締役の設置が原則義務化されました。

取締役の全体の内、何人を社外取締役にするかが義務化されています。

10人いる場合、最低2人。

5~9人の場合、最低1人。

4人以下の場合は、特に定めはありません。

しかし、社外取締役を設置しない場合は、設置が相当でない理由の説明義務が発生します。

 

社外取締役はどのような立ち位置?

取締役は、役員であり、「経営側」だとみなされます。

そのため、雇用される「従業員」とは異なるもの。

よって、雇用保険には入れません。

【参考】シニア人材とは?雇用するメリットと注意点、採用方法を解説

 

社外取締役の主な役割や活動

社内、社外を問わず、取締役は、公平・公正な取引を行うための善管注意義務があります。

そして自己の利益ではなく会社の利益のために忠実に責務を果たす忠実義務をも負います。

その上で、通常、月毎に開催される会社の重要な意思決定期間である取締役会に参加し、意見を述べたり、会社の方針に賛否を投じたりします。

基本的には、この取締役会に参加することが主な役割。

ゆえに、従業員のように頻繁に出社することはないのです。

【参考】ジュニアボード制度とは?若手の力を成長に繋げる仕組を解説

 

社外取締役を登用するメリット

設置義務がない中小企業でも、社外取締役を迎え入れることで経営上のメリットがあります。

 

社内の風通しが良くなる、経営に透明性が出る

一番のメリットは、社内の風通しが良くなり経営に透明性が出ることです。

従業員から経営陣まで、全てその組織に所属している人から成る組織の場合、なかなか外部から経営状況をみることができなくなるもの。

不可解な、暗黙のルールで会社がおかしな方向に進んでいるかもしれません。

また、いつの間にか不正の温床が組織内にできていたりすることもあるかもしれません。

しかし、社外取締役として社外の人間が経営に参画することで、そのようなリスクを軽減できます。

 

議論が活性化し、独創的なアイディアが生まれやすくなる

また、社外の人間を経営に参画させれば、そこに社外の視点を入れることができます。

新規プロジェクトを始める場合や、社内で解決すべき課題や問題がある場合、社内からはなかなか出て来ない、独創的で斬新なアイディアが生まれやすくなります。

長く同じ社内にいると、

  • 「これは、こういうもんでしょ」
  • 「それは無理でしょ」

と安易に決めつけがちになります。

しかし、社外から見たら、それは偏見でしかないかもしれません。

社外の人物を議論に加えることで、「え?そうなの?」という新たな気付きを得られるかもしれません。

 

多方面の問題に対応しやすくなる

どんな人材を起用するかは、原則として自由です。

しかし、世の中を見ると、社外取締役として選任されるのは、

  • 他社の経営者や役員
  • 弁護士や公認会計士などの国家資格保有者
  • 金融機関やコンサルティング会社の出身者

が多いもの。

たとえば、ハラスメント関連など社会問題に精通している有識者を迎えることで、発生防止につながるだけでなく企業の健全性を社外にアピールすることもできます。

会社が抱えている問題や課題を考慮した上で社外取締役を登用することで、多方面の問題に対応しやすくなるでしょう。

 

会社の信用力の強化につながる

社会問題に関する有識者の他にも、著名人や優れた経歴の人を登用するケースも多いもの。

会社としてしっかりしているように見えるため、信用力の強化にもつながります。

特に著名人の場合には、同時に広告塔としての役割も果たしてくれる可能性があります。

会社の認知度向上や、販促や集客事業の際にも、きっと役に立ってくれます。

 

人脈を活用できる

また、

  • 外部との取引を有利に進めたい
  • 新たな販路を開拓したい
  • 優秀な人材を集めたい

といった場合、優れた経歴や知名度がある人物なら、その人脈を活用できるかもしれません。

【参考】役職定年制とは?役職任期制との違いやメリット・デメリット

 

社外取締役の報酬はどれくらい?

社外取締役を登用する際の費用、つまり、役員報酬はどれくらい必要になるでしょうか。

この報酬や、その他の待遇は、迎え入れる会社の裁量で決定します。

一般的には、月10〜50万円程度が多いもの。

しかし、大企業の場合、毎月数百万円にのぼるケースも少なくありません。

これは、正規社員とは異なり、単純な労働力ではないため、報酬の相場を見出すのはなかなか難しいでしょう。

中小企業であれば、もっと安かったり、場合によっては無報酬のこともあります。

【参考】ホラクラシー型組織とは?多様化社会で期待される組織の特徴

 

社外取締役を活用しよう

社外取締役を登用することで、企業にとっても社員にとっても多くのメリットが発生します。

もちろん、誰でも良いと言うわけではありません。

経歴次第では、会社にとってマイナスになってしまうこともあります。

慎重に選考を行い、会社を飛躍させるきっかけにしたいものですね。

【参考】ニッチ戦略とは?競合と戦わない策の事例とメリット

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