フリーランスとして活動していくのは、思ったよりも大変と感じる人が多いもの。
特に、最初のうちは、お金よりも、とにかく数をこなすことに注力すべきです。
最初から仕事を選んでいては、いつまでも自身の成長は見込めません。
しかし、闇雲に受けていれば成長するかと言うとそれはまた別問題。
受けても意味がない、断って方が良い仕事、というものもあるのです。
今回は、フリーランスが断るべき仕事の特徴5つと、断る際の注意点を解説していきます。
【参考】フリーランスの悩み相談サービス6選!トラブル解決のために
フリーランスに必須「断るべき仕事を断る勇気」
フリーランスとして駆け出しの時は、どんな仕事も引き受け、量をこなして、まずは安定した収入基盤を作り、実績を作ることが、最初にクリアすべき課題となります。
しかし、ずっとそのようなスタイルで活動するのにも限界があります。
一人前のフリーランスになるためには、仕事を選んだり、時には断ったりすることも重要。
なぜなら、受注する仕事を選べるようにならないと、クライアントによっては、ただ労働力を搾取されるだけになったり、良いように使われたりするだけになって、自分のためには全くならないこともあるからです。
【参考】下請法とは?フリーランスが最低限知っておくべき法律の基礎
フリーランスが断るべき仕事の特徴5選
それでは、どんな仕事は断った方が良いのか、その特徴について詳しく見ていきましょう。
1、立場を理解していない、身元がはっきりしていないクライアントからの仕事
フリーランスと、仕事を発注してくれるクライアントに、上下関係はありません。
原則として、両者は対等な立場、つまり、取引関係にあります。
雇い雇われる、いわゆる雇用関係ではないのです。
それを全く理解していないクライアントからの仕事は断った方が良いでしょう。
例えば、
- いきなりタメ口を使って、上から目線で仕事の指示をしてくる
- 契約書を作成せず、なんでも口約束だけで仕事を進めようとしてくる
ような場合には要注意です。
また、社名や住所、連絡先など、会社の実態が曖昧な事業者からの仕事の受注は、報酬が支払われる前に途中で連絡がつかなくなったりするリスクがあります。
このようなケースも、なるべく避けた方が良いでしょう。
2、納品条件、ペナルティが厳しすぎる仕事
次に、厳しすぎる条件を課してくるクライアントにも要注意です。
- 納期、納品の仕方などの納品条件が厳しすぎる
- クリアできなかった時のペナルティの内容が厳しすぎる
といった場合も、仕事を受ける前に検討が必要です。
例えば、ライター職で、「10,000文字の記事を月50本以上納品、クリアできなかった場合はペナルティとして報酬から〇〇円減額」といった条件を提示されることがあります。
一方的に厳しい条件を課してきて、その上ペナルティがあるような仕事を無理して引き受けても、稼ぎにならないことがあります。
実績にならず、そのようなクライアントとは、長期的な付き合いも見込めないでしょう。
3、テスト報酬がゼロ円、もしくは極端に低い仕事
クリエイティブ系の仕事の場合、契約前にテスト課題の提出を求められることがあります。
- テスト課題に対して報酬が全くでない
- 極端に低い
といった金額の場合は、考え直した方が良いかもしれません。
中にはそれだけを目的として、不当に成果物だけを搾取しようとする業者もいるため注意が必要です。
少なくとも、被害に遭った他のフリーランスがいないかどうか調べてみた方が良いでしょう。
4、提案料なしのコンペ案件
デザイナーやクリエイター職の場合、最初にコンペにされることも少なくありません。
しかし、
- 採用されなかった場合に提案料の支払がない
- 提案に要した労力が全く報われない
といった案件も断った方が良いでしょう。
フリーランスなら、これまでの実績集(ポートフォリオ)を準備しているのが通常でしょう。
ポートフォリオを見た上で提案を求められるのであれば、多少の提案料等はあって然るべきとも言えます。
ポートフォリオを準備したり、提案したりするのに要する労力も、タダではないのです。
ランサーズ等のクラウドソーシングのサイトは、極端に依頼者優位で、フリーランスに不利な条件になっています。
「提案を出しても、採用されなかったら支払いはゼロ」という案件も珍しくありません。
- ある程度の実績がある
- 自分の腕に自信がある
- 安かろう悪かろうの有象無象に紛れたなくない
ということであれば、そのような条件の悪いコンペに乗る必要は全くありません。
5、専門性が不要で単純労働に近い仕事
- 専門性が不要で単純労働に近い
- 誰でもできそうな案件
次の仕事を探す時に実績としてカウントしづらいものです。
また、報酬もかなり安い傾向にあります。
フリーランスとはいえ、プロとしてキャリアを積まなければなりません。
自分の実績にならないような、単純労働に近い類の仕事の場合は断るのが賢明です。
【参考】地雷クライアントとは?フリーランスを悩ませる取引先の特徴
仕事を断る際の注意点
以上で挙げたような仕事であったとしても、いきなり断ってしまうと、せっかくチャンスを無駄にしてしまう可能性もあります。
まずは条件をしっかり確認した後、交渉の余地がないか見極めなければなりません。
そして、実際に交渉した上で、引き受けるのか、それとも断るのかを決めます。
断る場合も、ただ「お引き受けできません」と愛想なく伝えるのは損です。
悪い印象を与えないように、言葉遣いや表現などに気をつける必要があります。
【参考】フリーランスのトラブル予防策は?事前に備えておくべきこと
まとめ
収入が安定しない、キャリアが浅いフリーランス。
仕事を選んだり、断ったりすることは非常に難しい決断でもあります。
しかし、仕事を断る勇気、仕事を選ぶ力を養わないと、いつまでも成長は望めません。
受けるべき仕事、断るべき仕事をしっかり見極められるよう、知識をしっかり身につけていきましょう。