こんなはずじゃない!思っていたのと違う!入社して間もないけど、もう辞めたい!
「学生から社会人になる」というのは、人生の大きな転換点。
その変化や衝撃に耐えられず、短期離職してしまう人は昔から一定数います。
「入社3年で3割が辞める」と言われて久しいですが、中には1日で辞めてしまうようなケースもあるのだとか。
苦労して獲得した内定や職をすぐに捨ててしまうのはもったいない気もしますが、大丈夫でしょうか。
今回は、新入社員の早期離職、転職の可否やリスクについて考えていきましょう。
新卒、新入社員の早期離職が増えている
平成29年度の厚生労働省のデータによると、高卒の約4割、大卒の約3割の新入社員が3年以内に離職しています。
「せっかく入社したのに・・・」
「もったいない・・・」など、入社後すぐに辞めることへの社会の風当たりは決して良くありませんが、もはやそれが通例化しつつあるのも現実。
早期離職が増えている背景には、終身雇用の見直し、転職市場の活性化、働き方の多様化など外部的な変化も少なからず影響しています。
必ずしも、新卒者の個人的な理由だけではありません。
早期離職、転職した方が良いケース
決して勧めるわけではありませんが、以下のいずれかのケースに該当する場合には、早期離職、転職を検討しても良いでしょう。
どうしてもその企業が自分に合わない
実際に入社して、その企業で働いてみて、直感的に自分に合わないと感じた場合や、入社前に抱いていたイメージとのギャップが大きい場合には離職を検討しても良いでしょう。
特にコロナ禍において、オンラインの非対面式で就活、面接をして入社した新入社員は、入社後にギャップを感じやすい傾向にあります。
不満を抱きながら留まるよりも、環境を変え自分に適した職場で働く方が将来のためになることもあります。
入社したらブラック企業だった
残業代が支払われない、休みが貰えないなど、明らかにブラック企業である場合は、離職を検討すべきです。
ブラック企業で長く働いている人達は、「それが普通」だと思っていることもあります。
ブラックではないにしても、仕事のノルマが厳しすぎる、上司や同僚との人間関係がキツい、という場合にも、精神衛生上の観点から、環境を変えた方が良いでしょう。
無理して働き続けても、鬱や適応障害、その他の体調不良など、病気になって働けなくなってしまったら元も子もありません。
自身の健康も考慮した上で適切な職場を選ぶことはとても重要です。
やりがいやモチベーションを感じない
ブラック企業とまでは言えないにしても、給料があまりに安過ぎる場合や、やりがい、モチベーションが感じられない場合も、離職や転職を検討した方が良いでしょう。
給与の点に関しては、辞めずとも労働組合の支援や交渉によっては、解決することもあります。
しかし、やりがいを感じることができたり、成長を実感することができるのは、働くうえで非常に重要なことです。
改善させるのが難しい場合や、改善が見られない場合には職場を変えることも選択肢の一つです。
早期離職時の注意点3つ
早期離職し、転職することで、自分に適した働き方ができる、経済状況が良くなるなど利点がある一方で、その頻度や回数によって思わぬ落とし穴に陥ることもあります。
ここでは、早期離職時の注意点や具体的なリスクを3つピックアップします。
①次の職探しが難しくなる
在職期間が数ヶ月などあまりにも短い場合や、就転職の頻度が高過ぎると、職探しは徐々に難しくなっていきます。
まず、次の職に応募しても、書類で落とされる確率が高くなるでしょう。
そして、面接の場においても、「またどうせすぐ辞めてしまうのではないか」という目で見られやすくなります。
どんなにアピールしたところで、面接官は「それは建前でしょ」と思っているもの。
「人間関係を構築するのが下手なのかな?」
「精神的に打たれ弱過ぎて、ちょっとしたことに耐えられないのかな?」
「実は、協調性がなくて、どこに行ってもいづらくなるのかな?」
と、疑った目で見られます。
書類や面接でそれを覆すのは、至難の業。
在職期間や転職頻度については、面接官が良く見るポイントでもあるので、要注意です。
②「やめ癖」がついてしまう
何度も就転職を繰り返していると、「やめ癖」がついてしまうことがあります。
「やめ癖」というのは、少しでも不満なことや嫌なことがあると「辞職」という選択肢に逃げてしまうことを指します。
「辛くなったらやめればいい」という考え方を持つことは、心身の健康維持の観点から、決して悪いことではありません。
しかし、何度も、就労する、やめる、を繰り返していると、本当に何をやっても続かないようになってしまいます。
③キャリアアップしない
どの職場でもそうですが、昇進して、ある程度責任ある立場に就こうと思ったら、一定期間働いて結果を残す必要があります。
結果を残す前に退職してしまうと、どこに行っても、組織の一番下からスタートすることになります。
いくら経験が豊富に思えても、昇進したことのない人を管理職につけたりする会社はそうそうありません。
そうなると、「転職してみたら年下が上司になった」ということも起こり得るようになります。
気にしない人は気にしないかもしれませんが、「年下が上司になる」ということに抵抗感を感じる人は多いはずです。
転職を繰り返している内に、周りとどんどん差がついて、挽回するのが難しくなることもあります。
そうなると、卑屈になり、自分に自信を持てなくなってしまうかもしれません。
まとめ
新卒者の早期退職は「社会問題」としてネガティブに捉えられることがありますが、環境を変えることで本当に自分に合った仕事が見つかる場合や、スキル、適正など新しい発見もあることから、一概に悪いわけではありません。
また、すでに再就職、転職先が決定しているのであればさほど問題はないでしょう。
多様な働き方、ワークライフバランスを充実させるために、早めに見切りをつけ、離職、転職が必要なケースもあります。
しかし、少なからずリスクも生じることは、念頭においておきましょう。