最近、メディア等を通して頻繁に「Z世代」という言葉を耳にするようになりました。
その意味についてしっかりと理解できているでしょうか。
「何となく、若い世代なんだろうと思っているけど」という方が大半ではないでしょうか。
しかし、ビジネスパーソンたるもの、マーケティングで重要なこの言葉の意味くらいは、しっかりと理解していなければなりません。
今回は、ビジネスパーソン必見の新しい常識、Z世代について、その概要を踏まえ、特徴や消費の傾向、マーケティング術についてご紹介します。
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Z世代とは?
Z世代とは、生まれた時からインターネットなどIT、デジタル技術が身の回りに存在していた世代を指します。
実際のところ、明確な定義はありません。
しかし、1990年代後半から2000年代前半に生まれた者がそれに該当するとされます。
1980年後半から90年代前半の「ミレニアル世代」に次ぐ新しい世代。
ミレニアル世代がデジタルパイオニアと呼ばれるのに対し、Z世代はデジタルネイティブと呼ばれます。
アメリカでは、全人口のおよそ4分の1を占める大きなグループ。
世界で最も影響力のある消費者層、との呼び声も。
X世代、Y世代
ミレニアル世代、Z世代の前の世代を表す言葉として、X世代、Y世代というものがあります。
X世代とは、おおむね1965年頃〜1980年頃に生まれた人達。
一般的には「団塊ジュニア世代」とも呼ばれます。
特徴としては、成人後社会に出て、ある程度の経済力が伴ってきた頃に、携帯電話やインターネットなどの技術が徐々に普及してきました。
一方、Y世代は、概ね1980年前後から1990年代前半の生まれになります。
ほぼミレニアル世代と同等の世代になります。
特徴としては、バブル崩壊や就職氷河期を経験しており、携帯電話やパソコンなど、デジタル機器の普及を身近に感じながら生まれ育っています。
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Z世代の主な特徴、消費の傾向
それでは、Z世代の主な特徴や消費傾向について詳しく見ていきましょう。
検索エンジンよりもSNSでの情報収集が当たり前
一般的にネット上で何かを調べる際にはGoogleやYahoo!などの検索エンジンを使います。
しかし、Z世代の場合は、検索エンジンではなく、SNS上で情報収集を行います。
InstagramやTwitter等で、ハッシュタグや画像を元に自分の興味のあることについて調べ、同時に情報発信もしていきます。
ネットリテラシー、デジタル技術に長けている
前述の通り、Z世代は生まれた時にはすでにスマホやネットなどが普及していた層。
それらを使いこなすことをはじめ、ネットリテラシーについてはお手のものです。
わざわざ誰かに教わらなくても、日常的にそれらを使用しているため、いつの間にか習得し、他のどの世代よりもの呑み込みが早いのも特徴的です。
AI、VRなどの新しい技術にすぐ順応できる
既存の技術に加え、AIやVR、その他新しい技術が出てきた際、それらに抵抗を感じることなく、すぐに順応できるというのもZ世代の大きな特徴の一つ。
その一つの要因として、ゲームなどのエンターテイメントの分野で、AIやVRの技術に既に触れているということが指摘されています。
学ぶというよりは遊び感覚で自然に知識が身についているようです。
多様性や変化を受け入れられる、重視する
また、あらゆる「スタンダード」や「常識」というものに囚われないというものも特徴。
新たな多様性や変化にもすぐ順応でき、他の世代よりもそれらを重視する傾向にあります。
例えば、ファッションに関しても、従来の性別に囚われたものではありません。
ジェンダーレスファッションなど、それぞれの「個性」を意識。
他人に対しても、それを尊重できるとされます。
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ビジネスパーソン必見のZ世代へのマーケ術
Z世代があらゆる市場において大きな影響力を持つようになってきている現在。
商品やサービスの提供者には、その動向をしっかりと見極めることが求められます。
それでは、Z世代への主なマーケティング術についていくつか見ていきましょう。
「モノ」よりも「体験」を提供する
「モノ」を売る、売って終わり、という商売はもう古い。
Z世代は、物を買うこと、所有することに対する意識が低いとされます。
そして、これからは「体験」を提供する、もしくはシェアすることが主流になります。
そのため、Z世代を始めとする多くのニーズに応えるためには、サブスク型やシェア、レンタル事業を積極的に取り入れていく必要があるのです。
SNSなどオンラインで商品やサービスのプロモーションを行う
これまでは商材の宣伝をする手段として、テレビCMや紙媒体の広告が一般的でした。
しかし、先ほども述べたように、Z世代は情報収集から購入までをネット上で完結させます。
そのため、プロモーションをする際には、
- SNS上に広告を貼る
- 自社のアカウントを作成し、情報発信をする
といったことが欠かせません。
ダイバーシティを意識したサービスを提供する
また、Z世代を主としたマーケティングを行う際、
- 性別
- 年齢
- 人種
- ライフスタイル
という基準でターゲット層を絞るのは得策ではありません。
ダイバーシティを意識することが重要となります。
というのも、Z世代の多くは、古いスタンダードで型にはめられることを毛嫌いする傾向にあると言われるためです。
しかし、マーケティング目線では、ダイバーシティを意識するとなると、何を狙えば良いのか分かりにくくなります。
ペルソナを設定するのも、難儀なことかもしれません。
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まとめ
各市場において、これからますます台頭してくるであろうZ世代に向けた商品開発をすること、サービスを提供することは、もはやビジネスの常識となりつつあります。
商品やサービスの提供者は、常に世の中の動向にアンテナを張り、日々更新される「スタンダード」に注目しながら事業展開をしていきましょう。